「省力化(オーダーメイド)枠」の諸要件
それでは「省力化(オーダーメイド)枠」の諸要件について解説をしてまいります
省力化(オーダーメイド)枠の特徴は補助金額が高いことにあります。
そして、オーダーメイド設備等の導入・試作といったことで、中小企業の中でも比較的規模の大きい企業やデジタル技術、FAに長けた企業に限られるような感じです。
また、従業員数が20人以下の企業では補助上限額が1,500万円ですので、この投資枠内で費用対効果を成立させようとするとかなりアイデアを駆使した活用合理性が求められるような気がします。
オーダーメイド設備等の活用イメージが以下のように紹介されています。
寸評させていただきますと、すべてがわかりやすいイメージですがもうすでに実用化されている事例ばかりのように伺えますので、これを踏まえどのように差別化を図るか! ここにポイントがあるような気がします。
*大規模賃上げに係る補助上限額の引き上げについては後述いたします。
以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定すること
この基本要件は、オーダーメイド枠に限ったことではなく全枠共通ですが、全体の繋がりを考慮しここで掲載させていただきます。
給与支給総額については、昇級でなく人員増による給与支給総額の増加でもOKです。
それから、年平均成長率1.5%以上に「複利」という条件が付きました。確か、今までは単利だったような気がします。
複利ということは3年計画の場合、1.015×1.015×1.015=1.0457
つまり、3年後に今の1.0457倍になっていないといけないことになります。
「賃上げ計画」についてはその通りだと思います。
「給与支給総額の増加目標未達」「最低賃金の増加目標未達」に関しては、救済要件について付加価値の伸び悩みが考慮されるのででかなり救われる方がいるのだと思います。
これは、「付加価値 年率3%以上増加」といった要件がありながら、付加価値が思うように伸長しなかったら返還は求めない・・ といった制度になっているからです。
それでは、個別に解説いたします。
(1)の労働生産性が2倍以上
労働生産性とは、付加価値÷総労働時間です。つまり、総労働時間を減らさない限り
2倍以上の付加価値を稼ぎ出す必要があります。
守れなかった場合の返還義務はございませんが、これが成し遂げられる事業拡張計画
が審査員目線となりますので競争優位性とその信ぴょう性が問われます。
(2)の事業期間内に投資回収可能
例えば、3年計画であれば、3年間で投資額以上の人件費削減成果を出さなければなりません。
上表のように示せばわかりやすいかもしれません。
赤の部分工程2・3に従来要していた工数(年間の作業時間)×人件費単価×3年の値が投資額を上回れば要件クリアとなります。
ただ、年間作業時間について、あくまで現状の生産量を基準とするのか、または、生産量が拡張された3年後の時点を基準にしても良いのか?ここが論点だと思います。
事務局に確認したところ、「3年後の生産量を基準に求める場合にはその旨を事業計画書に書いておいてください」とのことでした。たぶんこれでも宜しいのかな!と思います。
(3)(4)につきましては特段のコメントはございません
こちらは、大規模な賃上げを行う・行った方に補助上限額を引き上げるといった恩典です。
追加要件の(1)「合計で年平均成長率6%以上」とはたぶん「複利」だと思います。
わかりずらいのが(2)ですね。わかりやすく解説されていますので以下をご参照ください。
大局的には、補助上限額との差額分(上記補助上限引き上げ額)について補助金の返還を求めます。
とのことですので挑戦的に取り組むのも諒かと存じます。
ただし、最低、前述の「基本要件」を満たさないと話になりませんし、
いくら”差額分で済む”といっても従業員にコミットしていることを忘れてはいけません!
こちらも、、オーダーメイド枠に限ったことではなく全枠共通ですが、全体の繋がりを考慮しここで掲載させていただきます。
これに該当する事業は補助対象外と扱われ、該当するとされた場合は不採択、採択決定の取消又は交付決定の取消となってしまします。
極めて常識的なことですのでコメントは割愛させていただきます。
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