実行力を評価されるPDCA

PDCA手法について知ろう

◆PDCAとは?

これは、「Plan(計画)・Do(実行)・Check(検証)・Act(改善)」

の頭文字を並べたものです。

繰り返しこのサイクルを回すことで、常に、問題点を改善しながらタスクを円滑に進めることができるので
大きな成果を出しやすくなる、と教科書に書かれています。

その通りだと思います。重要なことは、

①問題点に気付く力・・・“◇◇製品の売上高が落ちた”という「現象」ではなく、その『原因』について自己の反省を促す
②言われなくてもやる行動力・・・常に改善することで自分の仕事が楽になるPDCAの実践

だと思います。(他にもありますが・・・・)

 

◆PDCAがなぜ必要か

まずみなさんにお聞きします

□ みなさんの会社は今後安泰ですか、売上高は今の水準を確保できそうですか
□ 取扱製品・商品・サービスの価格は今後キープできそうですか
□ みなさんがやられている事業は、業界の進化・変化を受けていますか
□ みなさんがやられている事業は、業界内での競争が激しいですか
□ みなさんがやられている事業は、他人の新規参入が容易にできてしまいますか
□ みなさんがやられている事業は、売り手の交渉力が強いですか
□み なさんがやられている事業は、買い手の交渉力が強いですか

いかがですか、かなり□に✔が入ったのではないでしょうか

言えることは、みなさんがよほど希少(レア)な領域で事業を行っていない限り、
常に業務改善を図っていかないと「勝ち組」には残れないかもしれません

またまたお聞きします

□業務改善を実践していくために、みなさんが考案したものを従業員に指示するだけで改善してくれそうですか

これもきっと難しいのではないでしょうか。問題点がはっきりと顕在化しており、
対策案も描けていれば別ですが、みなさんだけで業務改善案を考案するのは難しいでしょうし合理的ではないと思います。

次にみなさんと従業員の日常行動を振り返ってみましょう

みなさんは、常日頃考えていることについて、何を優先にどのように実行していくかを考えながら実行されていると思います。
ポイントは、その後、成果と反省の振り返りを実施されているかどうかです

もしされていなければ、PDCAでなく、P(計画)D(実行)PDのサイクルになってしまっており、なかなか業務革新には繋がりません。

それは、振り返りのC(チェック)と改善考案のA(アクション)が伴っていないからです。

これについて、“”もったいない“”と思って下さい。
それは、PDPDを実践するのに7割の労力を使っているのに残り3割のC(チェック)とA(アクション)
の力が発揮できないから業務革新につながってこないのです。

そうなると従業員の行動も同じかもしれません。

まして、従業員1人1人が好き勝手な思考(P)で、行動(D)していたら何の成果にも繋がりません。

そうです。業務革新はPDCAを組織的に回してこそ展開できるのです。したがって、
仕組みを作り統制を取ることが必要です。これを踏まえた上で、従業員に自由度(権限移譲)
を与え能動的に展開していく組織作りが肝要です。

 

◆トヨタのPDCA

トヨタでは、徹底したPDCAを回転させています。ステップは、
しっかりと現状を把握した上で、組織ごとに行動計画を立案(P)し、当然のごとく実行(D)し、
成果の検証と反省事項の洗い出し(C)を行い、改善(A)すべき点を、次の計画に活かしていきます。

そして、市場競争力を強化するために、「ムリ・ムダ・ムラ」を徹底的に排除することで、
コストを下げ、生産を効率化する必要があると考え、「トヨタ生産方式」TPS
(Toyota Production System)を構築しました。

今では、製造業における生産革新のバイブルとなっています。
(私が勤務していた半導体メーカーでもTPSを皆で学び自社に焼き直し生産革新活動を展開しています)

トヨタのような大きな会社だから、PDCAを回し業務革新が図れる、と思っていませんか。

これは、まったく逆ですよ。小回りの効く中小企業のほうがよっぽどやりやすいですよ。

なぜなら、現場の声がストレートに伝わるからです。ですから、稲盛前社長の京セラでは、
アメーバ経営といって小さな縦組織(いわば小さな会社)で経営革新を展開しています。

ここをしっかりと押さえてください。

特徴としては、

①トップのみならず、現場の1技能員まで、PDCAに参画し生産革新活動を展開しています。
要は、中間管理職だけが行っているわけではないのです。

最大の収穫は、従業員全員が考えて行動し、「経営に参画している」
この実感を得ることでモチベーションが飛躍的に向上することです。

わたしも、これは実感しました。

②「自働化」のニンベンの意図です。これは合理化を進めるあまり、
従業員の人間性や労働意欲を無視してはいけないという理念に基づくものです。

合理化を進めていったら自分の仕事がなくなってしまう、
技能員はどうしてもこう考えてしまいます。その先の要員計画を整備するのがTPSです。

③トヨタの生産工場では、技術者、管理者、ライン労働者が常に協力して「改善提案」を行い、
できることはすぐに取り入れるという文化を根付かせてきました。

まさしくPDCAプロセスの最終章A(改善)です。
組織的に改善に取り組むことで相乗効果が発揮できます。

質の高い改善提案を従業員から出してもらうためには、みなさんは良きファシリテーターに徹することです。
いろいろと出された意見に対して“”そうするとどのような良いことがあるの“”と肯定的な質問をすることです。

 

融資とPDCA手法実践との関係性

 

今回は融資とPDCA手法実践との関係性。
融資の獲得にとってPDCAの実践が今後ますます重要になってくることを
順を追って説明いたします。

理屈よりも実践ノウハウを知りたい!!
と思っておられる方々が大半と思われますが、
必要性を府に落としていただかないと実戦ノウハウが活きませんので、
あえて今回はこれについて述べさせていただきます。

 

◆責任共有制度がどう変わるか

そしてこの信用保証、これは、もしも借り手が返済できなくなってしまったら
信用保証協会が金融機関に代位弁済すること(約束事)です。
これによって、金融機関が事業者に貸しやすくする制度です。

でも、これはあまりに金融機関にとって虫が良すぎるということで、
保証協会の責任(負担)を80%とし、金融機関も20%の責任を負う
「責任共有制度」というものが2007年10月に発足しました。

それまでは、保証協会の責任が100%でしたので、
金融機関が20%の責任を負うことになったとたん「貸し渋り」がおきました。

でも、今はこれも落ち着き、逆に信用保証協会の審査が通るように
金融機関が借り手企業を応援している状況です。

言葉がそぐわないかも知れませんが「悪乗り」とも言えそうです。

保証協会の責任は、対象外である、創業・再生・災害・セーフティーネットを除いて、一律80%となっています。

これについて政府としては、創業➢成長➢成熟といった企業のステージに応じ割合を変えようと検討しているのです。

ひょっとしたら、成長・成熟企業の場合50%:50%といった具合になるかもしれません。

◆金融機関の預貸率

金融機関の中でも、中小企業の身近な存在である「信用金庫」「信用組合」が預金者からお金を集めた中から貸付に回している割合は何と50%ぐらいです。

ですから、一概に、金融機関として責任共有割合が増えたからといって
「貸し渋り」を行っていたら「信用金庫」「信用組合」の事業が成り立ちません。
従って、目利き力を養い、真に貸し出しても良い企業を吟味するようになります。

 

 

◆事業性評価

金融庁は地域金融機関に対し、必要以上に決算書や担保余力に依然せずに事業の成長可能性を適正に
評価する事業性評価を求めています。

信用金庫の職員さんと話しをしたところ、””そうはいっても信用力の判断に
ついては決算書や会社&経営者個人の担保余力に勝るものはない””

””でもそんなことばっかり言っていたら当行はつぶれてしまう””
””つまり自分たちで借り手が返済に困らないよう経営をサポートしていくしかない””
とのことでした。

そうです、金融庁は金融機関にコンサルタントとしての力量を発揮してもらいたいと考えているのです

◆事業性評価の肝はPDCAの励行

事業の成長可能性を適正に評価するのは事業ビジョンや適正な事業計画だけではありません。
計画を成し遂げられるだけの経営能力が備わっているか、ここが大きな評価ポイントです。

つまり、PDCAが確実に回転し経営革新が図られているか、ここに金融機関は一番注目しているのです。
前述の「金融庁は金融機関にコンサルタントとしての力量を発揮してもらいたい」、
これだって各企業のPDCAが回っていなかったら金融機関としてもコンサルティングなんてできません。

そうです、金融機関と円滑な関係性を維持するためにもPDCAの実践は重要なことなのです。

◆そもそもPDCAとは何?

みなさんが常日頃行っていることですよ。

何か最近売上が伸びていない、減っているな(C=チェック)
➢もっとお客様を訪問してみよう(A=是正措置)
➢今月は5社訪問仕様(P=計画)➢実行3社(D=行動)
➢5社に対し3件と未達成だったが量以上の成果が得られた(C=チェック)

これを組織的に行うのが一般的に言うPDCAです。従って、
統制と調整が必要になり、みんなで頑張ることでシナジー効果が得られるものです。
規律のモチベーションも高まります。

◆PDCAの罠とは

ズバリ、続かない、形骸化です。私も何度もこの経験をしました。
そして乗り越えてきました。

続かない、形骸化の大きな理由は社長様がそれを許してしまうからです。
そして牽引していく適材者が備わっていないからです。

「PDCAの全体会議で総括をして、これについて業績説明と併せて金融機関に説明する。」
そして、相談に乗ってもらう。 こんな仕組みを作ったら続くかも知れません。

これも重要なことですが、まずは会社のために、従業員各位に於かれましては、
”自分の仕事を楽にするためにPDCAを実践する”と前向きに考えてみましょう

 

PDCA手法の『P』

◆はじめに

PDCA手法の『P』から順を追って話します。

その前に、たいへん意味深い記事がネットに出ていましたので紹介いたします。

内容は、『PDCAサイクル』の中で一番重要なのは何ですか? の解が、
PでもDでもCでもAでもなく『サイクル』だったことです。

 

私が、いつも思っていることを、見事にひとヒネリ入れて教えていただきました。
何かの機会に使わせていただきます。

ここでいうサイクルとは、間髪入れず “”回し続けること、“” と考えてください。

そうなんです。よほど、目的意識を強く持たないと続かないんです。

効果が見えない、これ以上改善ネタがない、他にも優先することが一杯ある、
こんな言い訳がまかり通ってしまうから続かないです。

以前に勤務していた事業部は、慢性赤字で事業閉鎖を余儀なくされていました。

確かにPDCAは会社の仕組みとして定常的に行われてはいましたが、
赤字を回避できるだけのPDCA効果が生み出せない状況でした。

それでも、喧々諤々PDCAを回しました。管理職は、休日返上でミーティングを行い、
組織的に意思統一を図り、ウィークデイには全員営業を展開したこともありました。

この甲斐あって、1年前に種蒔きをした顧客開拓が奏功し、
何とか事業が立ち直りました。1年間PDCAを回しつづけた成果です。

さて本題の、PDCAの『P』についてのお話です。

PDCAの『P』って何 こう考えたことないですか。

私は2通りで考えています

◆1つ目のPDCAの『P』

これは、P(計画)➤D(行動)➤C(チェック)➤A(改善)が終わり2巡目以降に差し掛かった時のPです。

これは、計画に対する実行の成果をチェックし、
改善策や挽回策を具体的に計画することです。

例えば、AさんとBさんの2人に○○作業の他に
◆◆作業をマスターさせる多能工化計画を企てました。

Aさんは2ケ月目で何とか1人で作業がこなせるところまで習熟しましたが、
Bさんは指導員がついていないとまだ一人では作業ができません。

何とかBさんも早く1人でこなせるような計画を立てたいものです。

重要なことは、なぜAさんができてBさんがまだできていないかの原因究明です。
これがしっかりできていれば、Bさんも早々に習熟できるかもしれません。

またこのケースでは、Bさんだけに引っ張られずに以下の2点についてもきちんと評価し(C チェック)、改善計画に繋げていきたいものです。

◐そもそも、◆◆作業のプロセスに問題はないのか
◒作業指導自体に問題はないのか

上記の事例は、考案即実施、先ずはやってみて改めていくTry&Errorで進行していくものです。
PDCAの回転においてはスピード重視で良いでしょう。

おおかた、小改善の計画になると思いますが、自己中心の改善計画ではほとんど効果を生みません。
組織として最適な『P』にしましょう

◆2つ目のPDCAの『P』

これは、重要経営課題に関するPDCAのスタートの『P』です。

たとえば、ある工程を協力会社に加工を委託している。
自動旋盤装置を導入すれば、内製化できる。
外注加工費が削減できるし工期も短縮される。
こんなビジネスプランをイメージしてください。

当然、内製化計画とうい『P』を企てます。機械装置を即導入するぞ!
これぞスピード経営だ こんな行動を取られる方はまずいないですよね

導入する設備が高額になればなるほど慎重に計画しますよね。
でも、慎重に考えてしまうあまり、計画までに至らず当然実行もせず、
あの時にやっておけば良かった、なんて後悔してしまうのです。

無理もありません。だってPDCAのなかで一番大変、かつ、重要なのが『P』計画、だからです。

簡単に、計画策定の手順を示します

 

▮内製化に必要なインフラを考案します。

●どんな設備をいくらでどんな仕様で導入するか
●工具・治工具など付帯経費やレイアウト整備費の洗い出し

▮作業プロセス・必要人員(要員)を企てます

●どんな流れで作業をするか、機械装置取扱の習熟はどのくらいか。
前後の工程とのラインバランスをどう取るか
●誰が作業にあたるか、どんな資格取得が必要か

▮採算性を検証します。

このケースは比較的楽かもしれません。なぜなら、
精緻に売上アップ・需要予測を見積もらなくても良いからです。

素直に、外注加工費削減額⊖(材料費⊕設備投資に係る減価償却費⊕その他付帯経費
⊕増加人件費⊕エネルギーコストなど準変動費)あたりで計算することでしょう

そして、より良い計画にするためにはどうしたら良いでしょうか

いろいろありますが、以下の3点を紹介いたします。

1.専門家の知見を活用しよう

このケースで言えば、何か訳があり他社に加工委託していたことでしょう。きっと、
100%構想が練り上げられる、なんてことはないでしょう。あれば既にやっていますよね!

まずは、自社でできることと他人の知見を活用すること、これを洗い出すことです。

自社にノウハウがないからといって安易にあきらめないことです。

商工会議所や商工会に相談すれば、無料で専門家派遣が受けられます
(ただし、原則、相談・指導までですが)

2.生産革新の視点を盛り込もう

単に、今、協力会社に委託している加工作業を内部に取り込む、
単純にこのための必須事項だけを計画➤実践するのであれば
それだけの成果で終わってしまいます。

例えば、前後の工程とのラインバランスを適正に保つ、前後の工程の
「モノの流し方」も一気に改善し、多品種少量生産に一層適応できる生産ラインにするとか、
多能工化を一層推進し、増員阻止でやり繰りするとか、
更なる成果につながる視点で幅広に計画を練ってみましょう

3.補助金を狙おう

上記の内容からすると、「設備投資」「革新的生産プロセスの構築」とくれば、
『ものづくり補助金』を狙いたいですね。もちろん、これ以外にも合致する補助金がいくつかあります。

是非、チャレンジして見てください。
補助金申請時に認定支援機関と意見交換をすることで、より実用的な事業計画『P』が策定できます。

 

PDCA手法の『D』

 

◆PDCAでなくCAPDo

何が良くて、何が悪くてを分析し(C)
➢どうすれば良いか改善案を練って(A)
➢その改善案を具体的な計画に落とし込み(P)➢実行する(D)。
一般的には、以下の手順で励行していることでしょう。
いわゆるCAPDoです。

➢①経理部門が月次決算を締めて関係部署にこの情報を配信し、

➢②各部署では、前月、あるいは、前年同期、あるいは、予算、
そして前回計画(P)と比べて、何が良かったか、何が悪かったかを振り返り、
だったら今後どうすべきか、そのために他部署に何をしてもらおう、
こんなことを分析したり考案したりします。

➢③そして、全体会議(たとえば経営会議など)で審議し交通整理を行います。
ここで、改善策(A)の方向づけを行います

➢④ ③の結果を受けて、関連部署(たとえば、営業と設計・製造)と調整し、
具体的な改善策の展開計画(P)を練ります。
(軽微なものであれば、”即実行(D)でしょう・・・)

そうです、ここまでのステップが順調であれば、PDCAの『D』はさほど厄介ではないのです。
でも、ここまでのステップがなかなか整流化されていないがゆえに、
実行したがあまり効果が出なかった、なんてことになりがちです。

結局のところ、PDCAの『D』がうまくいかない原因は、その前の『C』と『A』にあるんです。

◆PDCAの留意点

①は経理部門が、決算情報を関係部署に発信する際に数字だけを送るのでなく、
必ずコメントを添えて送ることが重要です。
そして、金額を「数量」×「単価」で報告することが重要です。
「数量差異」「単価差異」の分析が重要だからです。

②は、分析のしかたです。たとえば、売上が下がってしまった。
原因は、主要顧客のA社が下がってしまったからです。これは分析ではありません。
主要顧客のA社向けの売上が下がってしまったのは「原因」ではなく「現象」です。
現象をいくら追いかけても解決ネタは生まれません。

A社が不況で仕事の量が下がってしまったのか、当社のライバル会社にA社が仕事を回してしまったのか、
これを「正しく」調べることが対策に繋がります。

後者であれば、必ずみなさんの会社の落ち度・弱みがあるはずです。これをしっかり分析しましょう。

前者であれば、A社の落ち込みをカバーする代替プランが必要になります。
いづれにしても、市況のせい、お客様のせい、で片付けてしまったら解決策につながりません。

③は御前会議になってしまうと経営者のみなさんの顔色を伺って部門長や従業員が振る舞ってしまいます。もはや形骸化した会議です。
経営者のみなさんは肯定的な質問を繰り返すようにして下さい。
さらに良くするためには何かアイデアはあるか、とか)。

そして最後に締めてください。

もう一つ経営者のみなさんの仕事は、口の強い部門長と弱い部門長を作らないことです。
例えば、営業部長が製造部長よりはるかに発言力があったら、営業寄りの、営業に有利な審議となってしまいます。
これを回避できるのは経営者のみなさんの手腕です。

④は関連部署間でセクショナリズム(縄張り争い)が生じたら、改善なんて一向に進みません。
これを防ぐための1つの方法として、テーマ別に縦組織を編成することです。
例えば、””○○製品の販路開拓は営業部のAさんと技術部のBさんでチームを組む””、とかです。

◆PDCAの『D』 円滑遂行のために妨げる罠を知る

長くなりましたが、ここからが本題です。PDCAの『D』を妨げる罠についてお話しいたします。


ズバリ、仕事が増えてしまうことによる警戒です。””それでは、来月からPDCAを、
より機動的にルーチンワークとして実施します。”” といったとたん、
皆が皆””仕事が増える””、と警戒します。

そうなってくると、自ら仕事を増やすような提案はしたくない、
だったら提案は止めよう、の雰囲気になってしまいます。

経営者のみなさんは、絶対にこれを容認してはいけません。
そもそも、仕事が増えるとは人件費が増えることです。
それ以上の売上高が見込めれば増員しても良いのでしょうが、なかなかそうはいかないものです。

要は、PDCAの励行で仕事は増えますが、それ以上の業務効率化に資するPDCAを回転させることが重要なのです。
なぜこの仕事をやらなければならないのか、目的は何か、定期的にゼロベースで考え、
””不要・不急の仕事は思い切ってやめてしまう”” こうすることも非常に重要です。

これも、経営者のみなさんが能動的に動いて下さい。

社長の指示があって始めた仕事だからやめられない。これが従業員心理です。
この呪縛を解くことができるのも経営者のみなさんの振る舞いに依るところです。

以前の職場では、月に1度、1時間、一切のルーチンワークも許されず、
集中して業務革新・業務削減を考案する。こんな経営革新活動をしていました。

結構つらかったですが、必要なことだと思います。

是非、いや、必ず実践してみてください。

仕事のボリュームがコントロールできる。仕事の構成が、ルーチンワーク7割、
考えて行動する仕事3割、になったらモチベーションがぐっと上がりますよ。

何よりも、『D:行動』において重要なことはスピード感です。
このように良い循環が仕組めれば、必ず、精鋭組織となってスピード経営が実践できます。

 

PDCA手法の『C』

◆『C』の重要性

釈迦に説法で申し訳ございませんが、ここで復習です。
PDCAとは、P(計画)➤D(実行)➤C(チェック)➤A(改善)で経営革新サイクルを反復実践していくことです。

この『C』が欠けたら・おろそかになったら、果たして、経営革新は実現できるのでしょうか。

はっきり、言って無理です。

なぜなら、PDCA➤PDCAのサイクルではなく、PD➤PD➤PDのサイクルになるからです。実際には、特に考えもせず(計画を立てず)、本能的に行動するDDDDDとなってしまうでしょう。

そうなってくると、会社としての組織的な経営なんて仕組めません。

みんなが皆、””俺がルールブックだ””ということで好き勝手な行動を取るようになります。

計画に対し実行(実績)がどうだったか、きちんと分析『C』しないと、有効な改善『A』に繋がりません。

そもそも、人事考課も有効に回らず、改善を成し遂げる力量・スキルアップが果たせません。

しからば、『C』チェックをどのように行うかです。組織的にPDCAを行うのですから、
主観でなく、ロジカルに、定量的に行う必要があります。

そのためには、比較する媒体として「予算(年度計画)」を立てることをお勧めします。
これについては、前々回の「PDCAの『P』」でお話ししたかったのですが、繋がりを考えて、あえて今回に持ってきました。

この予算とは、年間売上目標はいくら、年間目標収益はいくら、経費はいくらに抑えるといった計数目標を企てること。
そして、大切なのはこの計数目標達成のために、少し掘り下げて「何を、いつまでに、どのようにすべきか」という、
「行動計画」を立てることです。
ここまでできて、実行成果を図る「P(計画)」は完成です。

そして、売上高を製品別・顧客別に、材料費・人件費・経費などを費目別・部門別に積み上げると、より細部に亘るチェックができて実体が顕在化します。

◆PDCAの『C』とは?

●「計画」どおりにできているもの、
●「計画」を上回っているもの、
●「計画」に及ばないもの

はそれぞれ何か、きっちりチェックすることです。これができていないと
「計画(P)」→「行動(D)」は、のんべんだらりと行ってしまう事になるのです。

ここで重要なことが3つあります。そして、これらは私が痛いほど経験したものです。

1つ目は、逆の見かたをすることです。

特に、「計画を上回っているもの」これは、もっと上回っていなければならないのに、この結果で終わっていないか?
好結果の裏に潜む問題は何か? この見かたです。

特に、経営者のみなさんは絶対にこの視点を忘れないでください。

例えば、A部門はいつも予算未達成、B部門はいつも予算達成、だったとします。当然、B部門は良い循環が仕組めます。
これに乗ってしまえば、何も改善しなくても好結果が期待できます。

しかし、””好況すべてを隠す”” この悪しきポテンシャルが隠れています。

是非、このチェックポイントを押さえておいてください。

2つ目は、数字に偏った見かたをしないことです。

売上高が〇〇円未達だった。けしからん!! と感情論で終わらないことです。

経営会議でも、売上高は〇〇円未達。
原因は◇◇、△△の行動を起こしたが奮わず、といった報告があったにもかかわらず、行動内容の評価をせずに、売上高未達といった結果だけを責めることです。

これでは、その後の、改善『A』につながりません。そもそもPDCAを回す意味がありません。

経営者のみなさん、得てしてこういったことになりかねません。冷静に行動しましょう。

3つ目は、””予算がおかしい””の言い訳をさせないことです。

特に、2つ目の予算未達のA部門の例です。

毎回のように予算未達となってしまうと、かならずこのような言い訳をされてしまいがちです。
特に、A部門の部門長さんが発言力のある方でしたらなおさらです。

PDCAを進行させていく中で、結果が思わしくないときに、そもそも、予算(計画)がおかしい、
これがまかり通ったら、PDCAそのものがしらけてしまい形骸化します。

経営者のみなさんは、絶対に””予算がおかしい””、がまかり通る風土を作らせないでください。

◆『C』の「見える化」

C』の結果を必ず「見える化」しましょう

そこで重要なことがあります。「見える化」に際し、大抵は、縦軸にアクションテーマ、横軸に時期(日程軸)を描いた「ガントチャート」を作成することでしょう。

これ自体は、非常に素晴らしいことだと思いますが、常に新しく塗り替える方がおられます。

むしろ、過去の行動実績で活かされなかったことも、「見え消し」で残してある、泥臭いガントチャートにしたほうが、わたしは良いと思います。

過去の行動実績で活かされなかったアクションテーマでも、今回再実行することで成果が生まれるかもしれません。

忘れないためにも、「見え消し」で残しておきましょう。

 

PDCA手法の『A』

 

◆PDCAの『A』はAct(改善)

『A』についてはAct、Actionなど諸説ありますが、わたしは、
Act(改善)と捉えています。

計画に対して実績がどうだったかをチェック・分析し、
改善策・善後策を考案するのがPDCAの『A』です。

この『A』の取り組み姿勢に企業文化が表れます。
そして、企業文化は経営者のみなさんの思い、従業員とのコミュニケーションで如何様にでも革新できます。

◆改善を促す7つのアクション

①経営会議(業績のフォローアップ会議であれば何でもOK)には、
出席者各位が、成果と反省を踏まえ、次月にどう動くか(何を改善するか)、
案を持って出席していますか

➤次月にどう動くか(何を改善するか)出席者各位が案を持って会議に臨まない
とPDCAの『A』は機能しません。
そして、経営者のみなさんは良きファシリテータに徹し、
出されたアイデアをどんどん膨らます動きを取ってください。

②斬新な改善提案を拒絶する風土ですか、あるいは、前向きに検討する風土ですか
➤拒絶していたら他社との差別化なんてできません。きちんと他のアクションテーマも見据え優先順位を付けて改善に臨んでください。

 

 

③QCサークル(小集団改善活動)、あるいは、これに類する生産革新活動を展開されていますか

➤これは、是非、実行してください。作業員一人ひとりが主役になれる、
経営に参画する絶好の機会です。 別途、ノウハウを発信いたします。

④同様に、管理部門の業務改善活動を展開されていますか

➤管理部門、特に経理部門は経営情報のシンクタンクです。 経営情報を上手く発信し攻めの経営を牽引してください。

⑤全体を引っ張っていけるキーマンが複数名いますか

➤PDCAサイクルを回していると、改善ネタが切れたりとかつらい時が必ずあります。
こんな時に全体を引っ張っていけるキーマンが絶対必要です。
経営者のみなさんが計画的に育成してください。

⑥製品別損益を掴んだ上でコスト削減目標を設定し、これに組織的に取り組んでいますか

➤売上アップはお客様の都合・意向に振られますが、コスト削減は自助努力で実現できます。
③のQCサークルを含めて組織的に取り組んでください

⑦PDCAを回していくことで、自分自身の仕事が楽になる、この意識が浸透していますか

➤自分自身の仕事を楽にする。これが、PDCAの最たる目的かもしれません

◆PDCAの『A』を阻害する3つの罠

1.改善を考案する時間がない、と言い訳する
これは、PDCAの『D』で述べたことと同様です。
今の仕事を何とかしないと改善を考案する時間がない。
改善を企てなければ余計な仕事『D』をしなくて済む。
こんな本末転倒なことを、経営者のみなさんは、絶対に容認してはいけません。

そして、””忙しい時ほど改善のヒントが浮かぶものです。””
これを、改善のヒントが浮かんだんだ!! と思わずに、時間の経過とともに忘れてしまう。
こんなこと、ございませんか?

わたしが習慣化していることがあります。それは、常に、多少大きめの「単語帳」を持参し、
思いついたことをメモにとることです。
忙しい時以外では「就寝前」にいろいろなアイデアが浮かんで来るのです。
厄介ですがメモを取りましょう。逃したらもったいないですよ!
朝起きたら確実に忘れていますから。

本題ですが、「改善策を考案する」。この作業も時間を消費します。
ですから、現状業務の棚卸を行い、
今の仕事について、なぜこの仕事をやらなければならないのか、目的は何か、
定期的にゼロベースで考え、””目的のはっきりしない仕事は思い切ってやめてしまう””
といったことを実践しましょう。

そして、空けた時間を使って、浮かんだ改善のアイデアの実現可能性・具体策を考案してみましょう。

 

2.もうネタ切れだ、と言い訳する
PDCAの『C』(チェック)の励行で問題点・課題が顕在化した。
でもこれを解決する具体策:PDCAの『A』が発案できない、ネタに尽きた。
浮かんだ案の内容では効果があまり期待できない。
抜本策が必要。

こんな時は考えても考えても良い案は出てきません。もはや袋小路に入った状態です。

一層のこと、発想を変えて、他社から真似られるものはないか?
それはどこから学べばよいか?
こんなふうに考えてみましょう

これについて、金融機関のお力をお借りするのは非常に得策と考えます。
是非、金融機関を巻き込んだPDCAを実践してみてください。

 

3.マンネリ化が払拭できていない。仕組みが形骸化
PDCA回しているんだけど、毎回毎回成果がパッとしない。
これが続くようでした、経営方針、改善の視点について、
優先順位を履き違えている可能性があります。

また、一連の運用ルールに問題があるかも知れません。

これは、いつしかマンネリ化の風土になってしまったこととと仕組み自体が形骸化してしまったことに起因しています。

こういった時は、思い切って専門家に経営診断をお願いするのも良いかなと思います。
きっと有益な気付きが得られることでしょう