事業転換

事業転換 

 
事業再構築補助金ー事業転換
ほかの類型と比較してみると頭に入りやすくなります。

上表に示す通り通り、事業転換とは、以下のように定義されています。

●業種を変えず事業を変えるレベルの、新製品・新サービス等を展開し新市場に進出する
●製造・提供方法の新規性要件が必須ではないが、実体は新規性を伴う
●売上高要件は、新製品等事業の構成比が事業計画終了後で全事業の中で最も高くなること

そして、「業種を変えずに事業を変える」つまり、製造業の括りの中で、新たな分野の製品を作る、
事業再構築の中では、「変革性」「実現可能性」双方から鑑みて、一番経済を活性化させる
ものだと思います。

一番厄介なところが、売上高要件の「新製品等の構成比が事業計画終了後で最も高くなること」
ではないでしょうか

3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品の属する事業が売上高構成比の
最も高い事業となる計画を策定すること、 ですから、

既存事業の売上高を「事業=日本標準産業分類の細分類」毎に精緻に区分けし、
比較対象事業(既存製品の中で売上高が最も高い事業)の売上構成比を実態で表すことが肝要です。
 

製造業の業種転換の要件を満たす例から学ぶこと

 
事業再構築補助金ー事業転換
この例題は、プレス加工用金型から産業用ロボットの製造に事業のウェイトを切り替えるもので、
業種転換の証となる日本標準産業分類上の変化は、以下の通り細分類で明快になっています。
 
事業再構築補助金ー日本標準産業分類
これらの例題・細分類を見てわかることは、
 ・プレス加工用金型より産業用ロボットのほうが将来性がありそうだ・・・「成長性の視点」
 ・新たな挑戦でも細分類の変化、これまでの金属加工技術の応用であり難しくはなさそうだ・・・「確実性の視点」
といったことで、理想的な例題かもしれません。

ただし、競合性が高くないことをうまく証明するために、
産業用ロボット製造へ移行する際の技術的難易度を明快にし、競合性が高くないことを示すことが重要です。

そういった意味では、事例の中にある、「金属加工技術」以外に既存の競合他社に
勝っている点が訴えられたら良いな、という気がします。
 

製造業の事業転換の要件を満たす考え方を読み解く

 
事業再構築補助金ー事業転換
製品の新規性要件 ①過去に製造した実績がないこと
「要件を満たす考え方」には、・・・新たに製造する産業用ロボットが、過去に製造した実績のない部品であれば、要件を満たす・・・
と書いてあります。
ただし、一寸気になるのが、下請け事業者であるから、日本標準産業分類の中分類「金属製品製造業」にあたり
細分類のところで新たな事業を手掛けることになり「事業転換」に該当することになるような気がします。

特に、下請事業者の場合、加工品が使われる最終製品で見るのか、
加工(製造)形態で見るのか、ここも論点かもしれません。
 
製品の新規性要件 ②主要な設備を変更すること
時期はだいぶ遡りますが、
2021年3月29日にリリースされた「事業再構築指針の手引き(ver1.1」では、以前のものに比べ、
“”単により性能の高い同種の機械設備等を導入するだけでは要件を満たしません“”
この要件が削除されました。

したがって、当初、例題に載っていた
””従来パウンドケーキの製造に要していたオーブン機器をより性能の高いものに単に置き替える場合、は要件を満たさない“”
この要件も削除されました。

ここは、正直、厳しい要件でしたが、これが外れたおかげで、最新機能を備えた機械設備
の導入でもOK、というふうに理解できます。
 
「番外」競合他社の多くが既に製品を製造するのに用いている製造方法ではないこと
この要件が削除されました。

ただし、前述の通り、公募要領に、

  補助事業を行うことによって、どのように他者、既存事業と差別化し競争力強化が実現
  するかについて、その方法や仕組み、実施体制など、具体的に記載してください。

との記述がありますので、実態は””削除されていない””と思った方が良いでしょう。

そこで、前述の通り、競合性が高くないことをうまく証明するために、産業用ロボット製造へ移行する際の
技術的難易度を明快にし、競合性が高くないことを示すことが有効だと思います。
 
製品の新規性要件 ③定量的に性能又は効能が異なること
右側の「要件を満たす考え方」の欄に記載されている通りです。
ここは、「製造方法等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限る」との補足がありますので、
ほとんどの方がこれに該当するのではないでしょうか!

 
市場の 新規性要件 既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
右側の「要件を満たす考え方」の欄に記載されている通りです。
概ね、事業転換の場合には要件を満たすと思います。
 

飲食サービス業の事業転換の要件を満たす例から学ぶこと

 
事業再構築補助金ー事業転換
この例題は、日本料理店に続き焼肉店を新たに開業するもので、
事業転換の証となる日本標準産業分類上の主な事業の変化は、以下の通り細分類で明快になっています。
 

日本料理店から焼肉店に事業替えでなく、日本料理店の『ほか』、でも大丈夫なんですね!

「換気の徹底によりコロナの感染リスクが低い」・・・こういったネタを探したいですね!

逆に、焼肉店から健康志向のニーズを考慮して日本料理店に、なんてシナリオも使えそうですね

 

飲食サービス業の事業転換の要件を満たす考え方を読み解く

 

商品・サービスの新規性要件 ①過去に提供した実績がないこと
この例で行けば、一般的な焼肉店なら【飲食店営業許可申請】のほかに【防火対象物使用開始届】が必要となりますので
【防火対象物使用開始届】の承認日で間接的に新規性の証明ができますね(余談です)
 
商品・サービスの新規性要件 ②主要な設備を変更すること
右側の「要件を満たす考え方」の欄に記載されている通りです。
特段の、問題はなさそうです。

加えて、時期はだいぶ遡りますが、
2021年3月29日にリリースされた「事業再構築指針の手引き(ver1.1」では、以前のものに比べ、
“”単により性能の高い同種の機械設備等を導入するだけでは要件を満たしません“”
この要件が削除されました。

したがって、例題に載っている
””従来パウンドケーキの製造に要していたオーブン機器をより性能の高いものに単に置き替える場合、は要件を満たさない“”
この要件も削除されました。

ここは、正直、厳しい要件でしたが、これが外れたおかげで、最新機能を備えた機械設備
の導入でもOK、というふうに理解できます。
 
「番外」競合他社の多くが既に提供をしている商品・サービスではないこと
この要件が削除されました。

ただし、前述の通り、公募要領に、

  補助事業を行うことによって、どのように他者、既存事業と差別化し競争力強化が実現
  するかについて、その方法や仕組み、実施体制など、具体的に記載してください。

との記述がありまので、実態は””削除されていない””と思った方が良いでしょう。

右側の「要件を満たす考え方」の欄に記載されている通りですが、「焼き肉店」自体
競合が激しくコロナの影響を多分に受けていますから、みなさんならではの斬新なお店にする必要がありそうですね!
 
商品・サービスの新規性要件 ③定量的に性能又は効能が異なること
ここは、「製造(提供)方法等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限る」との補足がありますので、
ほとんどの方がこれに該当するのではないでしょうか!

 
市場の 新規性要件 既存製品等と新製品等の代替性が低いこと
右側の「要件を満たす考え方」の欄に記載されている通りです。