本サイトでは、
●ものづくり補助金の採択
●革新的事業展開設備投資支援事業の
採択のために、過去の代表的な取組事例を2件紹介しています。
臨場感溢れる生々しい記事となっていますので、
是非、ご一読ください。
目次
会社のあらまし
事業内容:機械加工部品の受託生産(従業員12名)
業績:設備産業の好調さに連動し増収増益
強み:優良顧客の確保・・・顧客評価は品質(ここ数年返品がない)
弱み:設備投資をここ数年行っておらず、生産能力(切削)が飽和状態
機会:半導体産業の好調性
脅威:上げ止まり感あるも原材料費の高騰、加工賃値引き要請圧力向上
経営者の思い:
①生産能力を増強させたい
②過重労働を払拭し、残業削減、年休取得の定常化を図りたい
そのために設備投資をしたい
以上が、初回訪問時のヒアリング回答でした。
極端に優れたところも無さそうだし、極端に悪いところもない。
つまり、これといった事業テーマが浮かばない状況でした。
私からの質問とその回答
①顧客評価の証明
・・・幸いなことに品質面での表彰をお客様より数回受けており
「強み」の証明になることを実感しました
②原材料費のコスト削減について
・・・特段実施していない、とのことであった。
複数社からの調達による価格牽制も社内に余力なく難しいとのこと。
他方、新規の部品製作において、お客様より素材の選定など相談を
受けているとのことでした。
⇒これも「強み」の記事として活用しよう、と決めました。
③過重労働を払拭し、残業削減、年休取得の定常化を図りたい、
これに対する推進策について確認したところ、
ここが悩み処、源流対策が思い浮かばない、とのことでした。
纏めると、
①小規模下請け製造事業者としての強みは相応に持たれている。
それにより、お客様との信頼関係が築け、受託量が増加している。
②現下の経営者の思いに対し、具体的推進課題が顕在化していない。
であれば、徹底的な「ムダ取り」から、切り開いていこうと考える。
実施内容
まず、ご依頼者様に、詳細の「工程フロー』「各工程の作業フロー」を書き出していただきました。
(とてつもなく細かくあらいだしました)
今回導入する設備を使用する工程は、作業の流れが当然変わります。
そこで、改善の4原則「ECRS」の型を用い、以下の切り口から、
作業の見直しを行いました。
私も、以前からここに着眼し改善のサポートをさせていただいておりますが、
今回ほど力をいれて実施したことはありませんでした。
E(Eliminate):無くせないか
C(Combine):一緒にできないか
R( Rearrange):順序を変更できないか
S( Simplify):単純化できないか
結果として、今回導入する設備を使用する工程はもとより、
その周辺でいろいろと合理化できるネタが発見されました。
そうすると気になるのが、今回導入する設備を使用する工程やその周辺工程
は良いのですが、その後に「ボトルネック工程」が生じてしまいます。
実際に存在し、ここについては、人員のシフト、多能工化による解決策を
練ることにしました。
機械装置の導入で人手作業の作業工程が廃止になります。
これにより第二のボトルネック工程に1名を異動させることで、7割方解消できる見通しを得ました。
そして、次に考えたのがCAD/CAM連携によるプログラミングの廃止でした。
ところが、親事業者から送られてくるCADデータに不備がありすぎて難しいとのことでした。
こちらも、しっかりと書き込み良い意味で言い訳しました。
最初はなかなかECRSの改善テーマが浮かびませんでした。
なぜなら、加工そのものを対象にしていたからです。
そこで、加工以外の付加価値を生まない工程に目を向けると、
洗浄工程の統廃合ができそうだとの結論にいたりました
(品質保証員も洗浄条件を変えることで統廃合が可能、との見解でした)
何よりも、効果が大きかったのは、各検査項目における工程完成検査の廃止と
最終出荷検査への集中化、そして検査の深さ自体の見直しでした。
また、価格に応じた検査スペックの適用について、
私の方から提案させていただきました。
やはり、ECRSこれは自社のオリジナルメソッドですから、
革新性の訴求はしやすいと思います(あくまで、斬新性と効果次第ですが)
そして、手前味噌にはなりますが、ご依頼者様と共作した新旧工程フローチャート
比較図はまさに「芸術品」と自負しております。
いかがでしたでしょうか
なぜ、当事務所にご依頼されたか
ご依頼者様は、前回の第2回の公募に申請したが残念ながら「不採択」となってしまった。
そこでサポーターを探していたところ、当事務所のホームページ「革新的事業展開設備投資支援事業(助成金)申請の勘所」を読まれ、当事務所に頼んでにみよう! と思われたようです。
ご依頼者様の事業内容
詳しい情報はお示しできませんが、自社ブランド品の製造販売です。
ちょうど、新製品の開発・事業化のネタがあり、シナリオが作りやすかったです。
ちなみに、
●製品・技術の品質向上、信頼性確保
●特殊素材、難加工、複雑形状への対応
●自動化・省力化
●一貫加工の実現
●短納期への対応
●コストダウン
●不良率削減
●増産要請ての対応
●環境対応、法整備対応による取引拡大
●生産ラインの最適化
●24時間稼働、異常・故障等遠隔監視
●単純作業、過酷労働の代替
といったテーマでもOKですので、新製品の開発・事業化でなくても
大丈夫です。
ただし、内容が革新的な取り組みであり、それが希少価値あり、そして儲かる
シナリオでなければなりません。
余談でした。
第2回『革新的事業展開設備投資支援事業』が不採択になった要因分析
第2回『革新的事業展開設備投資支援事業』が不採択になった要因分析
じっくり申請書を拝見させていただきました。
革新的なテーマ自体は良いものだったと思う反面、申請書の記載内容を見て唖然としました。
要求事項を理解し、それに沿った記述になっているように思えなかったからです。
某銀行の紹介で派遣された専門家に任せて記事の作成をお願いしたようですが、
一寸、プロの表現とは思えませんでした。
基本的に、「革新的な取り組みであり、それが希少価値あり、そして儲かるシナリオ」
ここで、大きく差が出るわけではありません。むしろ、それがなぜそうなのか!
これを理路整然と説明できるか、ここが大きなポイントです。
でも、それについての記述がほとんど伺えませんでした。
逆に、競争力強化に資する斬新なビジネスプランを持たれていることについては
非常に期待感を持ちました。
採択までのステップ
申請書作成の骨子設定
結果的には、
●新製品の事業化による売上アック
●隘路となる生産工程の能力アップ=設備投資
●組織の整流化
●都内繊維メーカーとの連携体制構築
で落ち着きました。
ただし、行程は”波乱万丈””決して穏やかではありませんでした。
理由は、
①新製品の市場伸長が期待できるのかどうか、客観的データが見つからない
②機械設置場所が北関東であり、都内経済への貢献の記事がうまく書けない
といった懸念材料があったからです。
結果として、
①は海外のレポートから拾えたので一安心
②は都内にある本社の営業部門と都内繊維メーカーとの共同販促
で落ち着きました。
申請書の記述
キーセンテンスの相互洗い出し➤当事務所での粗書き➤虫食い部分の相互記載、
この繰り返し、といった、当事務所の基本パターンで遂行
早い段階で『当事務所で粗書き』し事業者様での文章を練るご負担を軽減したこと
により、事業者様からいろいろな情報がいただけ、最終的には理路整然とした
事業計画=申請書に仕上がりました。
ただし、情報が錯綜した結果、やり直し作業が頻発しました。
過去にもこのようなケースは多々あり。
でも、お互いの信頼感が崩れることなく遂行できたのでそれほどの
ストレスにはなりませんでした。
利益計画、資金繰り計画の作成
これについては、ヒアリングをしながら私のほうで作成し、
後に事業者様に確認していただきました。
社内でも、こういった数値計画が作れる社員がいないので
別途、経理責任者にノウハウを伝授していただくよう
頼まれた次第です。
ありがたいお話です!
申請書の製本
過去に数回補助金の申請を行っている事業者様ですので
当該作業はお任せしました。
ただし、ここでしくじったら元も子もありません。
初めての方には一緒にお手伝いさせていただきます。
いよいよ面接審査
実は、本支援会社では、中堅のエンジニアの方が私と
『革新的事業展開設備投資支援事業』の申請書作りを行い、
また、このエンジニアの方が面接対応されるとのことでした。
面接審査の手順等についてはお伝えしましたが、
面接審査のロールプレーイングはあえて行いませんでした。
ロールプレーイングで行ったQ&A以外の質問がきたときの反応力が逆に鈍ってしまう
ことを避けたかったからです。
面接終了後、Q&Aの内容を確認したところ、的を得た回答になっていないところが
結構ありましたが、何とか面接審査を乗り切り無事『採択』となりました。
終わりに
如何でしたでしょうか!
とにかく、『革新的事業展開設備投資支援事業』を獲得するには早めの行動が絶対条件です。
お早めに、お問合せ下さい。最大限サポートさせていただきます。