2020年12月15日、「事業再構築補助金」閣議決定!・・事業概要PR資料から学ぶこと(2020.12.25更新)

みなさんこんにちは! 坂本経営事務所の坂本です。

2020年12月15日、「事業再構築補助金」を含む、令和2年度第3次補正予算案が閣議決定されました。

つまり、菅内閣の閣僚全員の合意がなされ、当然、与党にも根回しがされています。
したがって、よほどのことが無い限り、2021年1月の通常国会で承認され、
事務局の決定をへて、同年、2・3月に公募が始まりそうですね!

今回は、「令和2年度第3次補正予算案」の事業概要PR資料から顕在化された事象と所見を述べさせていただきます。

 
事業目的・概要  

記述文面1
新型コロナウイルス感染症の影響が⻑期化し、当⾯の需要や売上の回復が期待し難い中、ポストコロナ・ウィズコロナの時代の経済社会の変化に対応するために中⼩企業等の事業再構築を⽀援することで、⽇本経済の構造転換を促すことが重要です

はい、キーワードが2つ出てきました。

1つ目の、事業再構築

これは、下の「記述文面2」に出てきますので、そちらをご参照ください。

2つ目は、日本経済の構造転換

これは、前向きにコロナ禍で培った経験から、より合理性・利便性を追求しポジティブに構造転換を図り
国際競争力を上げていきましょう!という前向きなスローガンに聞こえます。
ゴールは「付加価値、そして労働生産性」の向上を狙う施策を「国」は期待しているのでしょう!
それだけに、補助上限額からして「革新性」「地域経済活性化への貢献度」が問われる事業計画書が
要求されることは必至のことでしょう! ココは押さえておいてください

記述文面2
そのため、新規事業分野への進出等の新分野展開、業態転換、事業・業種転換等の取組事業再編⼜はこれらの取組を通じた規模の拡⼤等、思い切った事業再構築に意欲を有する中⼩企業等の挑戦を⽀援します。

はい、キーワードが2つ出てきました。

1つ目の、新規事業分野への進出

これについては、「事業再構築のイメージ」として具体的に3つの事例が出ています。

①新分野展開
ガソリン⾞の部品を製造している事業者が、コロナ危機を契機に従来のサプライチェーンが変化する可能性がある中、今後の需要拡⼤が⾒込まれるEVや蓄電池に必要な特殊部品の製造に着⼿、⽣産に必要な専⽤設備を導⼊。

②業態転換
⼩売店舗による⾐服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で売上が減少したことを契機に店舗を縮⼩し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換。

③事業・業種転換
航空機部品を製造している事業者が、コロナの影響で需要が激減したため、当該事業の圧縮・関連設備の廃棄を⾏い、新たな設備を導⼊してロボット関連部品・医療機器部品製造の事業を新規に⽴上げ。

新規事業分野の進出は、②を見る限り高度な事業かどうか、あまり要求されていないようです
これらの例題は、誰もがうなづく事例ですが、中には、ほんとうに大丈夫か? と思われてしまう取組みもあるでしょう。したがって、

・新事業・新業態が社会から受入れられ需要が十分に見込めるか!
・自社の経営資源(特にノウハウ)がどれだけ活かせるか!
・社内外の推進体制は万全か!
ここらあたりが採否の焦点になるでしょうから、いまからしっかりと準備をしていきましょう!

2つ目の、事業再編

事業再編の例題を載っていませんでしたが、12月8日の政府・与党の政策懇談会に付議された資料の中に
””企業買収費用””も補助対象経費に含まれる旨が記されていましたので、M&Aなど企業結合が
含まれていると十分に推測できます。

上述の「採否の焦点」に加え、吸収事業と合わさった強みでシナジー成果が生み出せれば最高です。

記述文面3
また、事業再構築を通じて中⼩企業等が事業規模を拡⼤し中堅企業に成⻑することや、海外展開を強化し市場の新規開拓を⾏うことが特に重要であることから、本事業ではこれらを志向する企業をより⼀層強⼒に⽀援します。

はい、2つのキーワードと1つのキーセンテンスが出てきました

1つ目の、中堅企業

中堅企業に関する法律がございませんのではっきりした定義がありません。
したがって「事業再構築補助金」で言う定義は公募の段階まで待ちましょう!

言えることは、
①中小企業基本法で定められている中小企業(業種大分類ごとに資本金と従業員数から定義)の枠を本事業遂行後に超える計画にある企業
②定義はわかりませんが、既に、中小企業の枠を超えた中堅企業
も本事業の対象企業であることです。

だから、後述のように補助上限額が類似の補助金と比べ大きいのかもしれません。
逆に、採択されるための事業計画書の精度はそれなりのレベルのものが要求されそうです。

早めのご準備を!

2つ目の、海外展開

やはり、お金を出す側では、””国際競争力を高めたい””この狙いがありそうですね!

3つ目の、本事業ではこれらを志向する企業をより⼀層強⼒に⽀援

これらとは、脱中小企業の中堅企業と海外展開を強化する企業のようです。
中堅企業(現在、今後含め)であれば、後述の通り補助上限額が大きくなりますし、
海外展開については、「海外投資」など特別な費用も補助の対象になりそうです。
(12月5日、讀賣新聞の記事より)

記述文面4
本事業では、中⼩企業等と認定⽀援機関や⾦融機関が共同で事業計画を策定し、両者が連携し⼀体となって取り組む事業再構築を⽀援します。

はい、キーセンテンスは「認定支援機関や金融機関が共同で事業計画を策定」です。

つまり、しっかりとした事業計画書を提出してください! といった意図が伺えます。
ちなみに、認定支援機関とは、中小企業の経営を手助けする経済産業省で認定された金融機関・商工会議所、一部の士業などです。

また、金融機関がここに出てくるのは、資金調達と返済計画の妥当性を共有してください!との意図に伺えます。
事業計画書にどのように書き込むか、その前に事業計画書の説明はしておくべきでしょう。

 
成果目標  

事業終了後3〜5年で、付加価値額の年率平均3.0%(⼀部5.0%)以上増加、⼜は従業員⼀⼈当たり付加価値額の年率平均3.0%(⼀部5.0%)以上の増加を⽬指します。

論点が2つありそうです

1つ目は、付加価値、あるいは労働生産性(従業員⼀⼈当たり付加価値額)の改善を成果目標にしています。
これは、実施主体である経済産業省の成果目標であり、かつ、申請者への要求事項でもあります。

ここで言えることは、「事業再構築補助金」は、弱者救済のためのものではなく、
上述の事業目的を遂行することで事業を成長・発展に導く、これを明快に事業計画書でもって示せる
このような事業者のためにあるものだ、ということです。

 
条件(対象者、対象行為、補助率等)  
左の図表の論点が良くわかりませんが、とりあえず「基金」ここだけに注目してください。
伺えるのは、「事業再構築補助金」は複数年運営されるのだな、ということです。つまり、冒頭の予算:1兆1,485億円は、単年でなく複数年にまたがる予算額です。
したがって、補助事業実施期間も相応の期間な設けられていること、今回のみならず、複数回の公募があること、が何となく伺えます。
ものづくり補助金なども「基金」設立の下、今年度から複数年の運営を行っています。

さっぱりわからない人が大半だと思います。簡潔に言うと、

経済産業省では単年処理の建付け上、年度内に、公募~申請~採否決定~事業審査~支払いを行わなければなりません。
これは、事業実施期間からして一寸不可能ですし、一定年度継続しないと成果が出ないものを単年処理の原則のために
毎回予算審議するのも不合理です。

そこで「基金」という逃げ道を使っているのです。
ちなみに、同様の運営がなされている、「ものづくり補助金などの中⼩企業⽣産性⾰命推進事業」では
「独立行政法人中小企業基盤整備機構」が基金の管理をしています。

 
補助対象要件  

①申請前の直近6カ⽉間のうち、売上⾼が低い3カ⽉の合計売上⾼が、コロナ以前の同3カ⽉の合計売上⾼と⽐較して10%以上減少している中⼩企業等。
②⾃社の強みや経営資源(ヒト/モノ等)を活かしつつ、経産省が⽰す「事業再構築指針」に沿った事業計画を認定⽀援機関等と策定した中⼩企業等。
③補助事業終了後3~5年で、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

論点が3つありそうです

1つ目の、売上高の10%以上の減少

事業再構築補助金が2020年4月から始まり2021年1月に終了する「持続化給付金」の後継支援策ですから、
50%減少と10%減少の違いはあれども仕組みは似通っていますね。

残念ながら、事業再構築を実践される企業でも売上高が、基準期間との比較で10%以上減少していないと申請資格はございません。

2つ目の、事業再構築指針

今現在、当該指針は公表されていません。公表された後にコメントさせていただきます。

いずれにしても、事業再構築指針に基づいた事業計画の中に、
自社の強みや経営資源を活用することでの本事業の実施およびその後の事業化計画の確実性
を明快に示す必要がありそうですね!

3つ目の、3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加

これは、ミラサポの記事(出所、中小企業庁)から見つけました。
要は、上述の「成果目標」が、補助対象要件(申請要件)として明文化された、ということです。

 
補助金額補助率等  

気になるところが1点ございます。それは、

・中小企業(卒業枠):400社限定
・中小企業(グローバルV字回復枠):100社限定
と明快に採択件数を示しています。

また、12月5日の読売新聞(出所は12月4日の関係閣僚会議)には””数万社の利用を見込み””と書かれています。

ここから言えることは、「中堅企業」関連は僅少であり、対象のほとんどが「中小企業」である、ということです。

そして前述の通り、認定支援機関や金融機関と事業計画を共作することを義務づけていますので、
中小企の中でも低規模な会社や小規模事業者・企業者にも利用を促しているものと解釈しています。

 
補助対象経費  
ミラサポ(出所:中小企業庁)からアナウンスがありました。

建物費、建物改修費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等が補助対象経費に含まれます。

1つ目の、建物費、建物改修費

建物、建物改修費が補助される補助金は稀です。私が知っている他の代表的なモノに「事業承継補助金」があります。
本補助金で、本費用を対象に加えたことには合点がいきます。

2つ目の、設備費・企業買収費用

12月25日の讀賣新聞(出所:12月4日の関係閣僚会議資料)では、
投資・・・工場新設や企業買収、海外投資などと書かれていますので、
企業買収に係る設備費は盛り込まれるのかな?と思えるだけで、2020年12月25日の段階でははっきりわかりません。
また、M&Aに係るデューディリジェンス費用がどうなるのか、関心処ではありますが定かではございません。

いつも思うのですが『等』ってやっぱり気になりますね!

如何でしたでしょうか!