万人向け『ものづくり補助金』を優位に進める7つのツボ

▮ ■はじめに

平成28年11月14日に「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」
(以下、ものづくり補助金、と表現)の公募がはじまりました。

読者のみなさんは、絶対に勝ち取ってやる!! と並々ならぬ決意で臨まれていることと存じます。

このような決意に応えるために、本小冊子を作成いたしました。
無事、合格するための一助としてご活用いただければ幸いです。

■はじめて補助金にトライされる方、まず『補助金』について知ろう

● 補助金は、手間が掛かるが「ご褒美」が。 お金と経営の質!2重奏
● 「ミラサポ」 が教えてくれる 補助金とは?
● 多数の経営者が悟った、補助金チャレンジの真のメリットとは?

■もう 待ったなし !! ものづくり補助金申請

● ものづくり補助金あらまし
● 申請書 “”書く型“”つかめば 悩まない
● 「具体的」筆が走れば 補助金制す

■万人向け『ものづくり補助金』を優位に進める7つのツボ

● 聞きたくないでしょうけど、不採択になった理由
● やたら目にする「革新的」って何?
● 「技術面」の審査項目、どうクリアーする?
● 「事業化面」の審査項目、どうクリアーする?
● 加点への対応
● 記載の雑知識
● もっとも怖い記載漏れ、記載誤り、どう防ぐ!!

■ はじめて補助金にトライされる方、まずは『補助金』について知ろう

●補助金は、手間が掛かるが「ご褒美」が。お金と経営の質 2重奏

本講では、厚生労働省が公募している雇用・人材育成などに係る助成金を対象にはしておりません。
経済産業省や都道府県が公募している事業改革による競争力強化に資する設備投資や
試作開発に係る補助金給付を対象にしておりますのでご承知置き下さい。
補助金は「返さなくて良いお金」なんて言われています。これは間違いではありませんし、普段ではなかなか融資に応じない金融機関でも、補助金申請となると重い腰を
あげてくれたりします。
でも、補助金が給付されるまでにはかなりの労力が必要ですし、使い方を誤ると“”タ
ダより怖いもの“”になってしまいます。
それは、申請書の作成作業が大変なことと、合格(採択)となった後にも申請書の記
載事項を確実に履行しないと給付されないからです。
また、使ったお金の満額がもらえる補助金なんてほとんどありません。せいぜい補助
率2/3です。
更に、実際に掛かったお金の中にも人件費など補助対象外経費があったりするので、
1/2回収できれば良いところでしょう。
以上、辛口なことを述べてしまいました。
逆に、『返さなくてよい』資金が調達できる直接的なメリットもさることながら、
補助金申請を通じて“”事業の道筋が明快になり金融機関との深耕が一層深まった“”と
言っていただいた経営者様をたくさんお見かけしました
ここまでをご理解いただき。挑戦されるみなさんにはすばらしい「ご褒美」となりま
すので以降をご期待ください。

■「ミラサポ」が教えてくれる 補助金とは?

だいぶしゃべってしまいましたが、ここで「ミラサポ」というサイトで補助金について解説していることを掻い摘んで紹介いたします。

①つまり、弱者を救済するために補助金が給付されるわけではありません。
一般的には、新たな取組みを実施することで地域経済を発展させたり、
起業を促進し新陳代謝を促す、そのために必要な資金を補助する、といったものです。
その手段として、国、地方公共団体あわせて数千種類に及ぶ補助金があります。
この中で比較的活用度の高いものが

・ものづくり補助金
・創業促進補助金
・小規模事業者補助金
・製品開発・技術開発・ソフト
開発に係る補助金
・販促・プロモーションに係る補助金
などです。
重要なことは、みなさんの会社のビジネスプランに沿った補助金を見つけてこれに取り組むことです。
あくまで主人公はみなさんの会社のビジネスプランです。これを曲げないでください。
ただし、上記の中で、特に、「ものづくり補助金」が万人向けです。
新たな取組みによって他社との差別化を図るぞ!!
そのために設備投資・開発投資に必要な資金を補完したい、
とお考えの方は、是非、「公募要領」を熟読しチャレンジしてみてください。

②は、前述の通り、使ったお金の満額がもらえる補助金なんてほとんどありません。
せいぜい補助率2/3といったところですし、
補助対象にならない経費もありますので実質的には1/2ぐらいです。
せっかく苦労して補助金をもらっても
事業に活かすことができなかったら費用対効果はマイナスです。

従って、付け焼刃の事業計画で申請をするのは絶対にやめてください。
これでは、採択は難しいでしょうし、運良く採択になっても事業が成功する可能性が低いでしょう。
事業計画の骨子が経営者のみなさんの腑に落ちたものでなければ駄目ですよ!!
③上述の内容は結構あっさり書いてありますが、労力はかなり掛かります。
社内体制をしっかり組んで臨んで下さい。経営者のみなさんお1人でやろうとしないで下さい。
でも、労力が掛かるから効率的にやりましょう!! と必ずしも言いたいわけではありません。

●多数の経営者が悟った、補助金チャレンジの真のメリットとは?

新たな取組みによって他社との差別化を図ろうとするわけですから、時間・労力を掛
けることは経営力向上に繋がり、必ずみなさんにプラスとなります。
残念ながら不採択になってしまった会社の経営者様が、補助金申請=事業計画策定を
きっかけに経営改革に取り組み、“”月次でPDCAを回転させることで業績が好転し
た“” 事例を結構お見受けします。
補助金は返さなくてよい資金調達手段です。
プラス、経営力がアップする起爆剤、といった間接効果を、是非、経営者のみなさんに体感していただきたいと存じます。
実際に、“”不採択になったって設備投資をして事業計画を遂行するよ“” といっている経営者様が結構「採択」されています。

■ものづくり補助金申請に向けて

●ものづくり補助金のあらまし

当該補助金のあらまし・留意点は、

① 補助上限額が、第4次産業革命型:
3,000 万円、一般型1,000 万円、小規模型500 万円(一般型、小規模型は、賃上げ・雇用の維持向上などの要件に合致することで、倍増、さらに1.5倍の上限となる)と補助額が充足して
います。

② 肝心かなめの合格率(採択率)は22~25%と予測しています。(過去はおお
むね4割採択でしたが・・・・) 決して容易くはありません。

③ 補助対象要件として、「どのように他社と差別化し競争力を強化するかを明記し 『事業計画』を作り、その実効性について認定支援機関により確認されていること、と公募要領に記されています。

要は、他社に勝てるビジネスノウハウを構築し、国内経済発展に貢献してほしい。そのための事業計画を示してほしい。これが国の要求です。
そしてコンペに勝ち残った22~25%の企業に対して、補助金が給付されるのです
つまり、簡単ではなさそうです。場合によっては、補助金公募前から半年掛かりでじっくり取り組む必要があるかも知れません。

● 申請書 “”書く型“”つかめば 悩まない

この補助金で要求されている記載要領を以下に紹介します。

『その1』 具体的な取組内容・・・事業テーマの推進計画です。

a.本事業の目的・手段について、今までに自社で取り組んできた経緯・内容をはじめ、 今回の補助事業で機械装置等を取得しなければならない必要性を示してください。 また、課題を解決するため、不可欠な工程ごとの開発内容、材料や機械装置等を明確 にしながら、具体的な目標及びその具体的な達成手段を記載してください。事業期間内においては機械装置等の取得時期や技術の導入時期についての詳細なスケジュールの記入が必要となります。

b.【革新的サービス】の応募申請においては、新たな製品・サービスを顧客等の他者に 対し役務としてどのように提供するのか具体的に説明するとともに、「中小サービス事 業者の生産性向上のためのガイドライン」で示す方法との関連性を説明してください。

c.【ものづくり技術】の応募申請においては、「中小ものづくり高度化法」の12分野 との関連性を説明してください。

d.本事業を行うことによって、どのように他者と差別化競争力強化が実現するかについて、その方法や仕組み、実施体制など、具体的に説明してください。

これらを整理すると下表のような骨組みになります。
この表に、思いついたことを記載しておきましょう。


『その2』:将来の展望(本事業の成果の事業化に向けて想定している内容及び期待
される効果)

つまり、その1のテーマ完遂によりどれだけ事業が拡充されるかを示す部位です。

a.本事業の成果が寄与すると想定している具体的なユーザー、マーケット及び市場
規模 等について、その成果の価格的・性能的な優位性・収益性や現在の市場規模も踏
まえて 記載してください。

b.本事業の成果の事業化見込みについて、目標となる時期・売上規模・量産化時の
製品 等の価格等について簡潔に記載してください。

これらをもう少し体系化すると以下のようになります。(全容はカバーしきれていま
せんが・・・・)

『その1』の事業テーマを完遂させるだけでは片手落ちです。
しっかりと事業化、つまり、事業として一本立ちさせるにはシビヤに採算性に目を向ける必要があります。
だから、事業化の成果についても書きなさい、と要求されています。
でも、『その1』の事業テーマを完遂させることに体力を使い切ってしまい、
『その2』将来の展望がおろそかになっている方を結構お見掛けします。
もったいないですよ!!

●「具体的」筆が走れば 補助金制す

また、公募要領では、やたら「具体的に書きなさい」と要求されています。
そりゃ抽象的に書いてしまったら事業計画の特徴なんて伝わりません。
でも、具体的に書こうとすると、つい専門的になってしまい、審査員が理解しづらくなってしまいます。
よく、補助金のセミナーに行くと、「審査員の方に内容が伝わるようにわかりやすく書きましょう」と言われる先生がいます。
なら、どう書きゃいいのよ、と言いたいですね。

□ 文章の初めの目的は伝わりやすく
□ 次の方法論はまあ専門的な表現を使い、少しわかりづらくても高度な取組みのように示す
□ 締めの効果は伝わりやすく表現する、のが良いかな、
とわたしは思っています。

審査員も、十分にわからなくても、
こういうことなんだな、と思ってくださるのではないでしょうか。

万人向け『ものづくり補助金』を優位に進める7つのツボ

それでは、7つのツボ 一挙公開!!

● 聞きたくないでしょうけど、不採択になった理由

ものづくり補助金は、残念ながら不採択となった場合、
その理由を事務局に問い合わせれば教えてくれます。
この過去事例のいくつかを以下に示します。

【技術面】▮
  • ■CADCAMの効率化は事例多。既存技術の転用なので、自社開発の独自性が必要
  • ■新規導入により通常達成できる技術課題のように思われる(革新的でない)
  • ■導入後達成できる「精度」「リード単位のコスト削減」等のデータが具体的でないので判断しかねる
  • ■ソフト面(デザイン・色彩力・イメージ力)が必須=設備のみの話
  • ■通常投資計画展開レベル
  • ■設備能力に依存する面が多く革新性が少ない
  • ■設備的課題と判断
  • ■曲加工精度のより詳細で定量的な検討必要
  • ■更に新しい加工技術への挑戦が感じられない

要約すると、茶色は革新性に欠ける青色は具体性に欠ける緑色は設備の力に依存過多、といったところでしょう。

革新性に欠けるとは、きっとこれだけでは他社と差別化しているところが見えない、
といったことでしょう。後述の記事をご参照ください。

具体性に欠けることで、定性的な表現で事の大小が判断できない、
この計画って本当に大丈夫かな?と思われてしまいます。

設備の力に依存過多とは、同じ設備を競合他社でも入れたら、
差別化が図れないでしょ! ほかに開発要素は無いの?
と審査員は思ってしまうことでしょう。

【事業化面】
  • ■債務超過、二期連続営業損失のため、財務リスクがある
  • ■競合他社との比較が具体的でない
  • ■どのようなユーザーにアプローチするのか分かる記入がない
  • ■収益性の具体的な内容がなく、抽象的である
  • ■市場調査不足である
  • ■対応設備の価格が適正かどうかの記載がない(運用、導入、効果)
  • ■取引先ニーズと価格設定に課題あり
  • ■経常利益、付加価値額の伸び率が2%程度で費用対効果はやや低い
  • ■生産工程内の必要性は理解できるが、設備導入による数字的な効果が不明
  • ■事業化の過程が分かりづらい

要約すると、事業テーマの取組みは納得できても、
果たしてこれで事業が成功するのか、
つまり、市場・お客様の受け、収益性、事業遂行能力、
が判断できない、といったところでしょう。

この不採択理由も漠然とした記述が多いのですが、
「革新的」「具体的」「差別化」「市場・顧客に良いこと」
「収益性が見込める根拠」がわからない、といったことです。
これは、骨子を決める段階で押さえておいてください。

● やたら目にする「革新的」って何?

革新的とは、

①自社にとって新規性のあること、
②それが相当程度普及していないこと、

との暗黙の定義があるようです。

①はわかるが②は何? って感じではないでしょうか。

②は間髪入れず、「差別化」=他社に勝てること。
と考えてください。
相当程度普及していないことをやるから他社に勝てるのです。

例えば、
□ 最新設備を導入し更なる精密加工品を取り込む
□ +製造プロセス=物の流し方を改善し、
□ 更にお客様から評価されていた解析技術も新規取込品に呼応させる。

この例は、一つ一つは際立っていませんが、3つが複合すれば、
どこでもやっているわけではない、すなわち、
「革新的」と審査員にご理解いただけるのだと思います。

● 「技術面」の審査項目、どうクリアーする?

まずは、「技術」=Technologyと考えないでください。
製作技能、製造プロセス改善のアイデア、
生産管理の改善なども、ここでは「技術」に含まれると理解してください。
これらを、解決手段の手段として前述の様式に当て込んでしっかりと書いてください。

● 「事業化面」の審査項目、どうクリアーする?

審査項目の中に、“”事業化に向けて、『市場ニーズ』を考慮するとともに、
補助事業の成果の事業化が寄与する『ユーザー、マーケット及び市場規模』
が明確か“”という項目があります。
何かきっかけがあって、設備投資したい、開発をしたい、
そのための資金補完策として本補助金にチャレンジしたことでしょう。
でも、その時に、本当に設備投資をしても十分に回収できるのだろうか、
これを検証するために市場動向をしっかりと調査したでしょうか?

ここを問われているのです。されていない方は今からでも、
事業テーマに即した市場予測データをインターネットや
業界情報誌などで探してみてください。
場合によっては、受託元会社などを介して、該当製品の展示会などで活用されたロードマップも取り寄せてみてください。意外とHiTする情報があると思います。
また他の審査項目である「事業実施のための体制」「遂行スケジュール」を書いていない人がかなり多いです。
なぜなら、【技術面】の審査項目に、「補助事業実施のための体制」、
「補助事業遂行スケジュール」という項目があって、
これを書いたからOK、と思われているようです。

これは、事業テーマである生産性向上などのための
「体制」や「スケジュール」のことです。

ここで要求されているのは、事業テーマをなし終えた後の、
成果を刈り取る、つまり事業化にむけての
「体制」や「スケジュール」のことです。
前述の様式に従ってしっかりと書きましょう。

● 加点への対応

平成28年度第2次補正予算の「ものづくり補助金」では以下の項目が加点対象になっています。
① はそれほど難しくありません。

確実に提出し加点をGETしましょう。

③ はみなさんの会社の状況によって判断してください。
賃上げをするか否か、加点のメリットに振り回されず、
会社の方針で判断してください。

④ はみなさんの会社が下請け会社などで直接輸出をしていなくても、
事業テーマがエンドユーザ側での海外市場の新たな獲得の一翼を担うものであれば、
その旨記載しましょう。加点される可能性があるかもしれません。

● 記載の雑知識

① 大いにオーバーラップさせましょう。
すでに前のところで書いたから、
ここで書いても意味がない、と思わないでください。
審査員は申請書を読んでいる過程で前に読んだことを
ドンドン忘れていってしまいます。重要なところは何回でも書きましょう

② 数字をしっかりと示し比較をしましょう

③ 「革新的」「差別化」の文言を必ず入れましょう。
凹凸が無いと審査員も何が革新的なのか、ど
こで差別化をしているのかわかりません。
以上が・・・だから当社、業界にとって革新的である。・・で〆ましょう。

④ 章題と記事のフォントを変えましょう。
章題を目立たせることで、「何を」言っているのか多少わからなくても、
「何について」言っているのか、がわかるからです。

⑤ 論理破綻を避けましょう。
10枚程度の資料になりますので、途中で横道に逸れがちです。
事前に骨組みをしっかりと整理しておきましょう。
特に、冒頭の「事業計画名」や「事業計画の概要」と
その後に記述する事業計画の内容とをしっかりと一致させましょう。

● もっとも怖い記載漏れ、記載誤り、どう防ぐ!!

事業計画は合格、でも不採択。 原因は、記載漏れ、記載誤り、にあります。
申請書が届いてから、事務局でこれをチェックします。

1か所でも、記載漏れ、記載誤り、があると、
申請書が審査されないまま「不採択」となってしまいます。
記載漏れは、「応募者の概要等(2ページ目)」
で必須事項が記載されていない、3ページ目の「対象類型の分野」
の該当項目などに☑がされていないことが多いようです。

記載誤りは、申請書以外に提出する「登記事項証明書」「決算書」などと
「申請書」の記載事項が一致していないケースです。

1例を示すと、「登記事項証明書」に記載の「株主」「役員」と
申請書に記載した内容とが一致していない、といった事象です。
防ぐためには、必ず二人でチェックすることです。
特に、本補助金に精通している「認定支援機関」の人と
チェックすれば良いでしょう

長きに亘り、ご購読ありがとうございました。
無事採択されること祈念しております。