公的融資ー日本政策金融公庫の融資メニュー

日本政策金融公庫は、国が100%出資する政府系金融機関です。でも株式会社なんです。
株式会社のガバナンスの仕組みを活用して、透明性の高い効率的な事業運営を行うために株式会社としています。

先日、ある支店長さんに事業性評価についてお話しを伺ったところ、””別に、従来からやってきたことだから、厄介だとは思っていない””  とおっしゃっていました。

なぜなら、貸付先が、創業者や決算数値や担保余力が芳しくない中小零細企業・個人事業主であり、将来の事業の善し悪し・経営者の資質で「貸しても返してもらえそうかどうか」を見ざるを得ないからです。

 

▮日本政策金融公庫の主な業務

「国民生活事業」「農林水産事業」「中小企業事業」「危機対応等円滑化業務」の4つです。
ここでは、ぼんやりと、民間の銀行(都銀、地銀、信金、信組など)で貸し出しづらい先に融資の手を伸ばしていると思って下さい。

中には、民間の銀行とおなじ領域で貸付業務を行っていますが、公営企業が民間事業を圧迫する『民業圧迫』に抵触することはしておりません。
むしろ、地銀・信金などが、1行だけではリスクが大きすぎるような融資案件について日本政策金融公庫がその一部の融資を引き受けたりとか、連携して共調融資に取り組んでいます。

ただし、株式会社ですから赤字はご法度ですし、原資がわたしたちの血税ですから損失を計上するわけにはいきません。
当然、融資の審査は厳格に行われます。

ここからは、日本政策金融公庫の中の「国民生活事業」についてお話しさせていただきます。

 

▮国民生活事業の貸付概要

●1企業当たりの平均融資残高は697万円と小口融資が主体(信用金庫は3,852万円)
●融資先の約7割が従業員4名以下で、約9割が9名以下の小規模事業者
●無担保融資が8割超。 融資額:3,000万円、返済期間:10年超あたりになるとケースによっては担保が必要になる。

 

▮国民生活事業の融資メニュー

融資メニュー 融資限度額 返済期間
無担保 有担保 設備資金 運転資金
普通貸付(ほとんどの業種の方) 4,800万円 4,800万円 10年以内 7年以内
特定設備資金
7,200万円
 20年以内
経営環境変化対応資金セーフティーネット)   4,800万円   15年以内 8年以内 

新企業育成

 新規開業資金 4,800万円  7,200万円 20年以内 7年以内
 女性、若者/シニア起業家資金
 再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
 新事業活動促進資金
 中小企業経営力強化資金
 企業活力強化貸付   企業活動強化資金
 IT資金
 海外展開・事業再編資金
 ソーシャルビジネス支援資金
 地域活性化・雇用促進資金
 観光産業等生産性向上資金
事業承継・集約・活性化支援資金  4,000万円
環境・エネルギー対策貸付   4,800万円 
企業再建貸付    15年以内
食品貸付    ー
生活衛生貸付(普通貸付) 設備資金のみ   ー  13年以内  ー
新創業融資制度(無担保・無保証人)  3,000万円  ー  適用する融資制度に則る
 商工会議所・商工会・生活衛生同業組合等の経営指導を受けている方 
マル経融資(小規模事業者経営改善資金)  2,000万円  ー 10年以内  7年以内 
小規模事業者経営発達支援資金  4,800万円 7,200万円   20年以内  8年以内

▮主要メニューの補足

●経営環境変化対応資金(セーフティーネット貸付)

①ご利用いただける方

社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、
中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる方で、次のいずれかに該当する方
詳しくは こちら をご参照ください。

 

 

②資金の使途

社会的要因等により企業維持上緊急に必要な設備資金及び経営基盤の強化を図るために必要な運転資金

③返済期間

設備資金、運転資金とも3年間の据置期間が設けられています

④利率

認定経営革新等支援機関または公庫の経営指導を受けて事業計画書を策定することで、
基準金利より低い利率で調達できる場合があります。

●新事業活動促進資金

①ご利用いただける方

a)「経営革新計画」の承認を受けた方
b)「新連携計画」の認定を受けた方
c)「農商工等連携事業計画」の認定を受けた方
d)「地域産業資源活用事業計画」の認定を受けた方
e)「地域産業資源活用支援事業計画」の認定を受けた方
f)「経営力向上計画」の認定を受けた方
g)技術・ノウハウ等に新規性がみられる方
h)上記a~gに該当しない方で、次のいずれかに該当する方
新たに経営多角化・事業転換を図る方
経営多角化・事業転換後おおむね5年以内の方
詳しくは こちら をご参照ください

②資金の使途

「ご利用いただける方」に該当する方が、当該事業を行うために必要とする設備資金および運転資金

③返済期間

設備資金、運転資金とも2年間の据置期間が設けられています

④利率

「ご利用いただける方」の
●c),d),e),f)に該当する方は「特利C」が
●a),b),g)  に該当する方は「特利B」が
●h)  に該当する方は「特利A」が 適用されます。
詳しくは こちら をご参照ください

●経営力強化資金

①ご利用いただける方

次のすべてに当てはまる方
●経営革新又は異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む。)を行おうとする方
●自ら事業計画の策定を行い、中小企業等経営強化法に定める認定経営革新等支援機関による指導及び助言を受けている方
詳しくは こちら をご参照ください

 

②資金の使途

「ご利用いただける方」に該当する方が、事業計画の実施のために必要とする設備資金及び運転資金

③返済期間

設備資金、運転資金とも2年間の据置期間が設けられています

④利率

1.融資限度額のうち2,000万円以内で無担保・無保証人にてご利用いただく方[特利S]
ただし、「中小企業の会計」を適用している方または適用を予定している方は、[特利S-0.1%]
2.前1以外の方[基準利率] 「中小企業の会計」を適用している方または適用を予定している方は、[基準利率-0.1%]
詳しくは こちら をご参照ください

●新創業融資

①ご利用いただける方

次の1~3のすべての要件に該当する方
1.創業の要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方
2.雇用創出等の要件
「雇用の創出を伴う事業を始める方」
「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」
「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方」又は「民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方」等の一定の要件に該当する方(既に事業を始めている場合は、事業開始時に一定の要件に該当した方)
なお、本制度の貸付金残高が1,000万円以内(今回のご融資分も含みます。)の方については、本要件を満たすものとします。
3.自己資金要件
新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方
ただし、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」「産業競争力強化法に定める認知特定創業支援事業を受けて事業を始める方」等に該当する場合は、本要件を満たすものとします。
詳しくは こちら をご参照ください

②資金の使途

事業開始時または事業開始後に必要となる事業資金

③利率

詳しくは こちら をご参照ください

④ご利用いただける融資制度

「新創業融資制度」は、次の各融資制度をご利用いただく場合にお取り扱いできる無担保・無保証人の特例措置です。
詳しくは こちら 「ご利用いただける融資制度」をご参照ください

 

▮日本政策金融公庫の審査の視点

◆継続事業者の融資判断

①「ヒト」の評価

●経営者の能力:自社の強み、弱みをどこまで把握しているか、
そのうえで、どのように今後の事業を仕組もうとしているか
・・・これが語れる経営者が少ない、客観的に把握されていない
●経営者の側面
健康状態、後継者の有無、家族の協力など

②「モノ・コト」の評価

●取扱商品、サービスの何が強みか? 他の企業より優れている点はどこか?
●取扱商品、サービスの将来性はどうか? 需要は見込めるか?
●取引先の安定度や将来性、結びつきの強さはどうか?

◆創業者の融資判断

①「ヒト」の評価

●どのような動機で創業するのか?
●困難を乗り越えていける熱意、意志の強さがあるか?
●必要なスキル、ノウハウを身に付けているか?
●人脈を築いているか?

②「モノ・コト」の評価

●経歴や開業動機と事業内容の整合性があるか?
●ビジネスとして成り立つだけのニーズがあるか?
●商品やサービスのコンセプトは明確か? ターゲットは絞れているか?
●リピーターを作れるか? ライバルとの競合に耐えられるか