事業性評価融資とは

Q:事業性評価融資とは何でしょうか?

最近、「事業性評価融資」ってよく聞きますが、一般に銀行から借りるときの融資とどう違うででしょうか?

A:「事業性評価融資」とは、融資の種類や金融商品ではなく、銀行が融資審査を行う際の判断基準のことです。

一般的な融資  … 決算書の状態と保証・担保で融資可否を決定
事業性評価融資 … 事業内容や成長可能性等も評価して融資可否を決定

そうです、上記の通り「事業性評価融資」とは、決算書の状態や
それを補う担保・保証だけで判断するのではなく、
事業内容や成長可能性等も評価して行う融資のことです。

今までの銀行の融資姿勢は、決算書の状態やそれを補う担保・保証の
有無をもとに審査することが一般的でした。

なぜなら、決算書の状態が良ければ、返済能力があると判断できるだろうし、
担保・保証が充分であれば取りっぱぐれが無いからです。

でも、これでは、成長力はあるものの、決算書の内容があまりよくない企業の場合、
銀行の審査から弾かれ事業に必要な資金が調達できないことがありました。

このような、今は、平凡な石の評価であってもそれがダイヤの原石である企業や、
有望な事業ビジョンを有する企業が、お金が調達できないために有益な商品・
サービスが市場に出回らないとなると、雇用や地域経済、
強いては日本経済にとってもマイナスです。

金融機関にとってはどうでしょうか?
決算書の状態やそれを補う担保・保証があれば、かなり回収リスクは回避できます。
でも、このような優良企業がどれだけあるでしょうか。

創業➢成長➢成熟・下降➢再生といった企業のライフステージの中で、
成長➢成熟期を迎える企業など1割ぐらいとも言われています。

銀行の中でも信用金庫は、預金者などから預かっている現預金を民間企業などに貸し出している割合、いわゆる「預貸率」は50%とも言われています。
ここからもわかるように銀行の本音としてはもっと貸したいのです。

そうしたことから、平成26年6月24日に閣議決定された「日本再興戦略」には、
「地域金融機関等による事業性を評価する融資の促進等」が盛り込まれました。

これを受けて、平成26年9月11日に金融庁の方針(「平成26事務年度 金融モニタリング基本方針」)にも、「事業性評価に基づく融資等」が盛り込まれました。つまり、金融庁から銀行に「事業性評価」に基づいた融資をしなさい、とお触れが発せられたのです。

正直これは、従来の保守的な貸出姿勢を一変させたものです。

更に、金融庁のパンフレットにも、
「金融機関が目利き能力を発揮して、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援することは、金融機関の果たすべき基本的な役割です。金融庁では、金融機関がこうした役割をしっかりと果たすよう、事業性評価に基づく融資等を促しています。」
と書かれています。

これが、何を言っているか。キーワードは『目利き能力を発揮して、融資や助言』
です。要は助言ですからコンサルティング能力を求めています。

きっと、銀行員も理解しています。だって、銀行の本音はもっと貸したい、
でも貸付先からの回収リスクも考慮しなければならない。

このわだかまりを解くためには、自らがコンサルティング能力を発揮し、
現在の貸付先やこれからの貸付先企業の成長を支援することでリスクを軽減するしかありませんね。

ただし、銀行員が、すぐに、みなさんの会社の特質を理解して目利きになってアドバイスをする、なんてことは神がかった銀行員でない限り今すぐにはできません。

そもそも、そのためのヒアリングさえ最初の頃は手こずるのではないでしょうか。

ここは、みなさんが大人になって、みなさんのほうから銀行員の方に銀行員がヒアリングしたい内容を能動的に説明しましょう。融資に通じる近道です。

金融機関が事業性評価を行うには以下のような情報が必要です。これを先取りして整備しておきましょう。融資以前に『経営力向上』に繋がります。

●事業内容、ビジネスモデル
☞どんな製商品・サービスを提供しているか。
どこから何を調達して、自社でどのような作業を行い、
どんな販路で販売しているか

◎経営理念・経営ビジョン
☞3年後のありたい姿、これに突き進む経営方針

●今後の事業計画
☞上記ビジョンを達成させるための

「具体的な行動計画」「数値計画(損益計画・投資計画・資金計画など)」
・・・必ずしもヒアリングの際に要求されるものではありませんが、
「経営の質を上げて融資を獲得」するための道具として、
金融機関⇔従業員⇔経営者のみなさんと共有する上で必要です。

●人材・ノウハウ・技術・顧客ネットワークなどの有効性(いわゆる知的資産)
☞事業計画遂行のための経営資源は整っているか、足りないものは何か

●経営者の経営能力や組織的な実行力
☞事業計画をしやり遂げる実行力があるか(PDCA実践力)

●外部環境分析
☞市場・顧客のニーズ、競合の状況など