事業計画のあれこれ(1)

最近、「事業計画」についていろいろと考えさせられることがしばしば
あります。
そこで、今回は、私の経験談を述べさせていただきます。
事業計画と経営計画は厳密には違いますが、ここでは、事業計画&経営計画を
『事業計画』と称しお話しさせていただきます。

前職で携わった「事業計画つくり」

その1

前職は、半導体メーカーの子会社で財務や経営企画の仕事をしていました。

入社後5年が経った頃に上司から「中・長期計画」を纏めるように指示されたのが、私が、事業計画に携わるようになったきっかけです。

 

会社では、中期計画を5年に1度ぐらいの周期で策定しており、財務部門が取り纏め
をしていました。

当時の私は、原価計算と原価管理、予算編成の一部しか担当しておらず、本作業で、
やったことと言えば、各部署への仕事の割り振りと最後の取りまとめ
(集計と資料作り)でした。

各部署へお願いする際に返ってくる言葉は、”何のためにこんなことをしなきゃいけ
ないんだ! 勝手に財務部門で作ればいいだろう!” でした。

確かにこれを押さえるのは当時の私にとっては厳しいのものでした。

逆に収穫といえば、取り纏め業務を行うことで、””自分も経営に参画しているんだ””
という気分になったことです。

今になっても、これは、非常に重要なことだと思っています。
若手社員を事業計画作りの一コマにでも参画させれば、きっと、モチベーションが
格段に上るはずです

その2

ちょうど財務部門から経営企画部門に異動した頃のことです。
当時担当になった事業部が赤字続きで、いつ親会社から事業ストップを言い渡されても
おかしくない状況でした。

そして、リストラクチャリング決行となり、私は、事業再建計画を担当することになりました。

いままでとは違い、真剣勝負の事業計画策定です。

 

幸いにも、許容人件費に抑え込むための人員対策については、レイオフを実行する
ことなくグループ会社間で融通し合えたので、この点は進行しやすかったです。
(楽ではありませんでしたが・・・)

まずは、取扱製品、サービスの集中と選択に取り掛かりました。
つまり、伸ばす製品と切り捨てる製品を明快にして、最適なプロダクトMIXを
構築するところからはじめました。

当然のことながら、各製品の収益性と市場の伸長性が肝になります。

ところが、収益性についてはどの製品も遜色なく(あまり芳しくなく)、

また、市場の伸長性については、

●生産ボリュームの多い製品の市場が飽和状態。ただし、ベンダーは当社を
含め団栗の背比べ
●生産ボリュームの少ない製品は、ニッチ市場製品に近いもので、予測がつかない

といったことで、伸ばすべき製品を決めるのに苦慮しました。
そりゃそうですね、これがすんなり決まる様であればそもそもリスラクチャリング
などしていなですね

次に、行ったのが、再建計画を注視する親会社の動向です。親会社もエンドユーザー
の1つであることから、どの製品をのばすことがが親会社(グループ会社)にとって
有難いのか、この調査も行いました。

結果としては、やはり、生産ボリュームの多い製品を伸長製品に掲げ、その他の製品
はリピート需要にのみ呼応することとしました。(リピート製品が実質切り捨て製品)

更に、伸長製品については、競合他社との立ち位置を再整理するために、ポジショニング
マップを作成し、活動領域を明快にしました。

この再建計画は、親会社に今後の事業展開を示し、再建できそうだ!ということを理解
していただくために作成するものです。

したがって、なぜ、この戦術が有効なのか! その根拠を明快に示すことが重要でした。

今では、この経験を、

●銀行を説得して融資を獲得する、債務一本化で月次返済額を軽減する
●審査員のチェック要領を察知し点数の取れる補助金を作成する
●経営改善計画を策定し銀行に金融支援を促す

といった行動に活かしています。

結構、ハードな再建計画でしたが、より深いところまで調査・分析したことも
今に活きています。

事業自体は、開発新製品が予想以上に伸長し立派に再建できました。

その3

経営企画部門の責任者時代です。
グループ全体での事業再構築の一環として、当時勤務していた会社の
一部の事業についてMBO(Management By Out)による事業譲渡
の計画が持ち上がりました。

このMBOスキームとは、会社役員が株主(親会社)より株式を買い取り独立するものでした。
ただし、会社役員のポケットマネーだけで買い取れる額ではありません。

そこで資金スポンサーに出資をしていただき、親会社から株式を購入する資金調達を行うものでした。

ちなみに資金スポンサーの狙いは、新会社の役員と共同経営し、数年後に
企業価値を上げて株式を売却し値上がり益を得ることです。

このころの私は、財務経験もあり、売上高・利益計画、資金計画、
財政計画(貸借対照表)は悩まずに作成できましたし、
行動計画についても思い通りに表現できる作表能力を身に着けていました。

厄介だったのが、「その2」のケースでは、親会社関係者に示す事業計画でしたので
ある意味、身内に示す事業計画で良かったのに対し、今回は、全くの他人に事業価値
を示す事業計画作りをしなければならなかったことです。

何よりも大変だったことが、当初は、社内秘密裡に事業計画を作成したり、問い合わせに
回答しなければならなかったことです。

自身の持ち合わせていない情報を集めたり結構苦労しました。

その後、基本合意前ではありましたが、デューディリジェンスも徐々に始まり、
問い合わせ事項がどんどん増えていきました。

この頃になると社内秘密もだいぶ緩やかになり、主管部署にお願いすれば情報が
得られるようになりました。

厄介だったのが、問い合わせの意味・意図が判らないものが多く、そのたびに
資金スポンサーに確認し、内容を噛み砕いて主管部署に回答依頼するように
しました。

それから、事業計画を作成する際に、問い合わせ事項の回答と矛盾のないように
留意しました

これにより、投資家を説得する事業計画の策定を経験することができました。

何よりの収穫は、デューディリジェンスを通じて、生産管理、営業、購買、
人事・総務などの実務のポイントが習得できたことです。

財務、経営企画の専門知識のほか、これらの周辺知識も踏まえ、幅広く
業務改善を提案することに活かしています。

如何でしたでしょうか! 今後、週ピッチで「事業計画のあれこれ」を
発信して行きますよ!

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