コスト削減に取り組みましょう・・はじめに

読者のみなさんこんにちは、今回より数回に分け、コスト削減活動についてお話しをさせていただきます。

コスト削減活動の必要性


今よりも利益を上げたい、そして賞与で従業員に還元し、
更に事業投資を行って次年度以降の地固めをしたい。

 

経営者であるみなさんであれば、当然、このようにありたいと思っているはずでしょう

それでは、今よりも利益を3割アップさせるために何をしますか?と質問をしますと真っ先に、△△をすることで売上げを上げます。
と答えて下さる方が大半です。

△△が具体性のあるものであれば立派な解答と言えますが、少々辛口なコメントをさせていただきますと、一寸残念な気がします。

理由は、2つあります。

1つ目は、売上拡大とはお客様の動向に振られてしまい、自助努力だけで達成できるものではないからです。

2つ目は、需要の減速、経済環境はまさに下りのエスカレーターを進んでいるからです。
仮に、利益3割アップに繋がる売上向上が果たせたにしても長続きする環境ではないのです。
そうなってくると、みなさんも重々ご承知の通り、コストを下げることですね。

コスト削減は、売上拡大と違い自助努力で結果が生み出せます。

お客様との商談に注力されている社長様、確かにトップセールスは重要ですが、
地道なコスト低減活動にも力を注いで下さい。

コスト削減は無限

それでは、コスト削減の取組についてお話しをさせていただきます。
初めに、「コスト削減は無限」と言うことをお伝えしたいと思います。

私も、前職の企業人であったころには、トップから
“この製品は20%のコスト削減で総コストを100円➢80円に押さえる、できなければ廃止品種”、なんて指示を何度となくいただきました。

1年前も20%の削減指示、そして、今回もまた20%!!こんなことの繰り返しでした。でも、そのたびに何とか乗り越えてきました。

中小企業経営者・社員のみなさんからも“コスト削減”はやり尽したもうネタがない、これ以上はモチベーションの低下、といった「あきらめモード」の言葉をよく聞きます。

これに関しては、私は、真っ向から反論します。

この考え方を払拭させない限りコスト削減なんてできませんし、
逆に「コスト削減は無限」といった強いマインドを持つことで、必ず実現できると断言しても良いからです。

確かにコスト削減の取組は手間が掛かりますし喧々諤々の議論も必要です。
でもこれは、業務の効率化、作業工数の削減に繋がることでもあり、
考案の時間が確保できる・習慣化できるなど、良い循環を生むものでもあります。

頑張ってみましょう。

「ムダ取り」「ロスの僅少化」

コスト削減の第一歩は「ムダ取り」「ロスの僅少化」です。これについては、
私も経営診断行う際に、事務所のマニュアルに沿い必ず実施します。

なぜなら、みなさんが気付いていないようなロスが発見され、またこれらは、即効性のある改善テーマだからです。

TPS(TOYOTA Production System)では、付加価値を生まない諸要素として、

①「つくりすぎのムダ」
②「手待ちのムダ」
③「運搬のムダ」
④「加工そのもののムダ」
⑤「在庫のムダ」
⑥「動作のムダ」
⑦「不良をつくるムダ」

を7つのムダと称しています。個人的には②④⑦を特に重視し、
これらが発見できるコスト管理メソッド、これらのムダを定量的に測定する管理手法を提供させていただいております。

先程申しましたように即効性のあるアクションテーマですので、
是非、継続実践してみてください。

 

また、コンサルティングの現場では以下の事象もムダと捉え支援をさせていただいております

➢改善の芽を摘むムダ    ・・・ まずNoから始まる組織
➢無計画・先送りによるムダ ・・・ 結局やらない
➢意思統一が図られないムダ ・・・ 俺がルールブックだ
➢情報不足によるムダ    ・・・ 補助金など中小企業施策が使えたのに
➢続かないことによるムダ  ・・・ PDCAが機能していない

 

コスト削減活動を妨げる罠

私は、大学卒業後、入社した会社で経理部に配属されました。

経理部は、みなさんがイメージしている経理=会社決算や入出金を行う
部署と原価計算やコスト・収益管理を行う部署に分かれており、
私は、2/3の期間を原価計算やコスト・収益管理を行う部署に属し、原価計算やコスト管理を担当していました。

この間にコスト削減活動に関するノウハウを吸収するとともに「コスト削減活動を妨げる罠」
も体感しました。この経験を踏まえ、5つの罠について紹介させていただきます

 

アイデアを潰す罠

コスト削減のアイデアを提案しても幹部などからダメ出しされ、
せっかく発展性のあるアイデアが出てもこれが活かされないことです。
新たなことについてNoとはいくらでも言えます。

ここは、提案に対して“そうすることでどんな良いことがあるの?”
と意見を膨らますコメントをしてあげましょう。

 

仕入れ値引き空弾の罠

仕入れ先が大企業などですと、“仕入先からNoと突っぱねられるのがオチ、
だから値引き交渉なんてムダ”といった先入観から仕入価格を下げようとしない中小企業様って結構多いようです。

私の経験からすれば決してそんなことは無いと思います。

購買部門(担当者)を厚くしてでも、他の仕入先候補を良く調査した上で仕入価格の牽制・値引き交渉を行う必要はあると思います。

仕入原価率によりますが、概して、効果は大きいのではないでしょうか

 

人員削減の罠

作業の合理化を進めれば自分の仕事がなくなる、
つまり自分で自分の首を絞めることになる、だから作業改善が進まない。
この心理が働いてしまうと厄介です。

月並みではありますが、売上拡大シナリオを明快に描いた上で増員阻止を図るために作業改善を行う必要がある、
といった事業計画を従業員と共有した上で、
作業の合理化を進める必要がありますね

TPS(TOYOTA Production System)では、作業改善を実行した従業員をその業務から外し、別の業務に充てる(職務拡充 job enlargement)、といった処遇改善に資する前向きな人事戦術もあるようです。

 

事務・管理部門の遵法の罠

人事部門や経理部門などでは、“度重なる法令改正などで仕事がどんどん増えている、
だから作業合理化なんてできない”といった発言をしがちです。

これに対して、社長様もついつい納得してしまうケースが結構あるように思えます。

私が財務・経理部門に従事していた経験からすると、これらは言い訳に過ぎないことであり、
だから事務の合理化が成し得られない理由にはならないと断言できます。

特に、経理部門においては、自部門の作業を合理化させ、
その空いた時間をコスト削減の統制・牽引にあたってもらいたい部署です。

 

二重帳簿の罠

価格競争が激化する中、営業部門は、お客様より常に価格値引きの要請を受けていることでしょう。
でも工場部門が素直に同意してくれそうもないので、
顧客要求価格より低い価格を「顧客要求価格」として工場側に提示しお客様との着地点を見出そうとする。

工場側は、せっかくコストを削減したのに、そっくりそのまま値引きされたのでは元も子もない、
だから、コスト削減後の改善コストをサバ読んで営業に伝える。

私が支援させていただいた、きちんと利益をあげている製造業などでは当たり前のように行われていました。

価格交渉のための営業部門と工場側の調整が大変なのは私も幾度となく経験しました。

でもこの二重帳簿こそムダの何物でもありません。

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