公的融資、プロパー融資➢動き出している事業性評価

読者のみなさんこんにちは。

今回は、事業性評価に向けて動き出している金融機関のお話しです。
内容は、事業性評価導入に向け先行して動き出している金融機関の方から聞いた内容と、それに関するわたしの所見を混ぜてお話しいたします。

 

 

先ずは、事業性評価について復習しましょう

金融庁は金融機関に対して以下のお触れを発しています。

企業の経営改善や事業再生を促進する観点から、金融機関が保証担保等『必要以上に依存することなく』、企業の財務面だけでなく、企業の持続可能性を含む『事業性を重視』した融資や、関係者の連携による融資先の経営改善・生産性向上・体質強化支援等の取組が十分なされるよう、また、保証や担保を付した融資についても融資先の『経営改善支援等』に努めるよう、監督方針や金融モニタリング基本針等の適切な運用を図る。

 

「経営課題の解決に向けた設備投資を金融機関に断られた経験」の理由をリサーチしてみると、何と90%が過去の財務状況から融資を断られています。

 

 

将来、大化けしそうな事業計画を持っている企業に対して、過去の財務数値などが芳しくないからといって融資を渋った結果、何の産業変革も起こらなかったら、国としても大損です(中小企業こそ産業変革を起してくれるのです)

そこで、金融庁としては、将来の事業性を重視し融資判断をしなさい、と金融機関を指導するようになりました。

これに同調することによって、金融機関としても、
貸し出しリスクは高まるかも知れませんが、今以上に貸し付けに
資金を回し利子収入を増加させることができれば、より良い循環が仕組めます。

そして、金融庁としても言い放しでなく、これについてきちんとチェックをします、
と言っています。

この仕組みがうまく回っていけば良いのですが、
””そうは言っても貸せるところにしか貸せない””
未だ保守的な金融機関が多いようです。

その中でも、前向きに動き出している金融機関もありますので、
その内容について以降でお話しいたします。

 

▮金融機関(信用金庫)の実態

ここからは、今回お話しを伺うことができた、事業性評価に前向きな信用金庫の行動についての内容です。
概ね、どの信金も同様の問題・課題を持ち、先陣、後塵の差はあれどそれに向けて動かれていると思われます。

問題としては

①貸付先の財務諸表はスコアリング(評価)しているので良くわかっているが、
事業内容や業界のKFS(事業の成功要因)を探るノウハウを持っていない。

 

②貸付先の事業方針、事業遂行の取組みの妥当性を判断できる術、
企業の行動力(力量)を評価できるツール(虎の巻)が十分でないので、
将来性を見据えた融資判断が侭ならない。

③過去のリストラクチャリングでだいぶ行員の数が減り、
その上に事務処理が煩雑になり、貸付先企業を訪問する機会が激減した。
行内でも分業が進んだことで、行員一人一人のヒアリング能力が下がってしまっている。
したがって、融資判断もさることながら、経営指導・コンサルティングの力が発揮できない。

このように話していただきました。まさに、
事業性評価に関する本やインターネットに出ているような内容そのものだな、と感じました。

確かに、わたしも金融機関の行員様と貸付先企業に同行訪問させていただく機会がありますが、
とにかく忙しそう、若手の行員様が概しておとなしく口数が少ない・あまり発言しないな、
と感じることがしばしありました。(たまたまかもしれませんが)

これについてみなさんはチャンスだと思って下さいね。

行員様が、みなさんの会社や業種・業態のことを知らなければこちらから示せば良いのです。

ヒアリングが苦手な行員様に対しては、みなさんがうまくリードして情報を提供すれば良いのです。

そして、上司にうまく報告ができるようにしてあげれば、必ずみなさんの味方になってくれるはずです。

これをすることで、銀行対策は他社より一歩先んじることができるかも知れません。

 

▮金融機関(信用金庫)の対応策

お話しを聞いた信用金庫では、この仕組みを作る、行員がこれに慣れるトレーニングを積む、このために業種に特化した専門家を活用しながら進めているようです。それではその仕組み作りについて説明します。

①ビジネスモデルスコアリングシートの作成

このビジネスモデル、つまり、
どこから何を仕入れて、どのような加工を内部で行い、
どのような加工を協力会社(外注)に委託し、
完成品をどのような販路で販売し顧客は誰なのか、
こんなヒアリングをしながら、競争環境は厳しいのか、それほどでもないのか、
を探ろうとしています。
ポイントは、みなさんに融資をすることで、どんな商品が生み出せて、
それはどのように加工することで、誰に販売できるのか、

そして、
●その商品は魅力的なものか、ユーザーから真に必要とされているものなのか
●みなさんの会社の商品特徴が何でどのようなお客様に受けるのか
●買い手(お客様の交渉力)、競争相手との力加減がいか程で、収益性がどうか
この評価方法を確立しようとしています。

同業種・同業態をどのように定義するか、その中でどのような基準でスコアリング(採点)するか、私も興味をもって見ています。

きっと、矢野経済研究所や野村総研・富士総研といったリサーチ会社の情報も使いながら実施する可能性は充分にあると思います。

したがって、みなさんとしては、これらの情報は最低限押さえたうえでヒアリングに臨む必要があるでしょう。

また、今まで以上に事業計画の根拠をしっかりと示す必要があるでしょう。

②経営力スコアリングシートの作成
経営理念や経営戦略を基軸に、人事・組織、キャッシュフロー経営、
設備投資・開発投資計画、などさまざまな項目を洗い出してスコアリングしようとしています。
ここは、先程のビジネスモデルと比べると難しくはないと思います。
それは、業種・業態で多少の違いはでてきますが標準化が仕組み易いからです。

経営者のみなさんは、是非、『経営について学ぼう』をご参照ください。経営力向上に資する参考情報が見つかるのでは、と自負しております。

いかがでしたでしょうか。

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