運転資金・設備資金など事業資金獲得のための効果的業績説明とは?

みなさんこんにちは。

今回は、「運転資金・設備資金など事業資金獲得のための効果的業績説明とは?」
についてお話しをさせていただきます。

まず、はじめに、何で業績説明をする必要があるのか、
それは、どんな良いことがあるのか、について確認しましょう。

金融機関の渉外・融資担当者が、まず、第一に臨んでいることは
「月次決算」の励行です。

月次で在庫高を把握することが困難であれば、前期末残高のままでも構いませんし、
減価償却費については、予定額で構いませんので、
それ以外の取引発生分については必ず記帳する習慣を付けましょう。

減価償却費の予定額は顧問税理士さんと期初めに取り決めておくと良いでしょう

金融機関としては、月次決算の報告を受けることで、
仮に数字が思ったより悪かったにしても、実体が把握出来ただけで安心します。

金融機関として、力になれることでの手打ちが広がるからです。

ここで、以前にお話ししたように、金融機関を敵方のように思わないことです。

ここから、
②の課題を共有することで、お互いに一過性の業績悪化では右往左往しなくなりますし、
③課題解決の情報提供などの協力が得られやすくなります。

これが、金融機関を味方に付ける、関係性を強化させるための第一歩です。

では、どのような報告(業績説明)をすれば良いのでしょうか?

その1 目標とする数値を決める

これは、各社マチマチです。でも、こう言ってしまったら先に進みません。

1つ重要、かつ、金融機関で押さえている経営指標をお伝えします

「債務償還年数」を意識しましょう。

これは、今の利益水準だと「何年何か月」で債務が全額返済できるか、
を見る指標です。

金融機関では、この債務償還年数が10年以内なら、
融資の返済が可能な会社、という見方をします。

この債務償還年数は、以下の通り、「債務」÷「キャッシュフロー」で求めます。

『債務』:
有利子負債(銀行借入・社債・割賦未払金など)
+仕入債務(買掛金・支払手形)
-売上債権(売掛金・受取手形)-棚卸資産

『キャッシュフロー』:
経常利益―税金+減価償却費(お金が出ない費用)

つまり、債務償還年数10年以内!! ここから割り出された
経常利益を意識しましょう。

もちろん、みなさんの置かれている会社の立場で目標利益を
設定していただいて構いませんが、
上記より割り出された経常利益を最小目標としましょう

いずれにしても業績を説明する際には、
月次決算値が満足いくものだったかどうかの物差しを持つ必要があります。

その2 製造業なら、まず「売上総利益(粗利)」と
「費用増減」について説明できるようにしよう

ここで言う、売上総利益(粗利)とは、売上高から
材料費・外注加工費などを差し引いた「限界利益」と
理解して下さい。

それでは、売上総利益(粗利)が売上物量で増減した影響と
粗利率で増減した影響を整理しましょう。

ここ、けっこう重要です。

確かに売上高が目標値以上であれば確実に経常利益は目標達成できそうです。

でも、そんなにあまやさしい時代ではないことを金融機関は重々承知しています。

いかに、収益の源泉である粗利を確保するか、
すなわちコスト意識を持って実態を把握しているか、
改善に向けて動こうとしているか、

金融機関としては関心処です。

売上物量増減は、

1)受注が取り切れなかったのか
2)納期が間に合わなかったのか
3)返品、不良品の発生 の影響などですね。

粗利率の増減は、

4)売価変動
5)材料費変動(材料購入単価差異、材料使用量増減)
6)製品構成(粗利率の高い製品、低い製品の構成変化)

などです。

厄介なのは、6)の製品構成の影響を掴むことです。
これには製品別の原価計算をする必要があるからです。

製造業であるかぎり、この原価計算は手間ですが
しっかりと行うことが収益改善を図っていくために必要なことです。

これらの原因を説明する際にやってはいけないことは、
景況やお客様のせいにすることです。

そして、前回お話しした業務改善に向けて実践している
アクションプランの遂行状況(ガントチャートで可視化した)と
照らし合わせて説明することです。

これによって、金融機関でも、何か助けられることがあるかを探り、
きっと相談に乗ってくれることでしょう。

人件費の増減については、作業時間の効率を踏まえ説明するようにしましょう

その他経費の増減については、定常的な支出と
一過性に支出に分けて説明するようにしましょう

その3 カネ以外の指標もうまく活用し業務改善状況を説明しよう

顧客訪問件数、納期遵守率、顧客満足度、作業効率管理などが挙げられますが、
ここでは、「作業効率管理」について説明いたします。

項目 目標 A 前月実績 B B/A
売上高 50,000円 45,000円 90%
作業者人件費 13,000円 13,000円 100%
総作業時間 1,200Hr 1,200Hr 100%
うち、実働時間 1,130Hr 1,020Hr 90%
うち、無作業時間 70Hr 180Hr 257%

だったとします。

これだけ見ると、取組みが甘いのではと思われるかもしれません。

なぜなら、売上高が10%も落ちているのに、作業者人件費や総作業時間が
減っていないからです。

でも、この例では、実働時間は計画の90%でほぼ売上見合いで努力しています。

ポイントは無作業時間の中身です。

売上高が10%減ってしまった分遊んでしまったらまさしくロスです。

でも。5Sや教育、業務改善の考案などに使えば、活きた時間の使い方
ですね!

このような管理は非常に組織活性化に繋がります。

取って付けたような例題ですが、このように作業効率管理をしているレポートを
金融機関に見せることで、きちんと管理されていると理解してくださることでしょう。

金融機関への業績説明のために、こんな作業を行うことは不合理、
そもそもできる従業員がいない! と考えてしまう経営者もおられます。

でも、有効な管理は必ず利益を生みます。

それ以上にみなさんの会社の経営力が評価されることで
金融機関との関係性が強化できれば、
資金調達のお悩みもだいぶ解消されることでしょう。

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